日米貿易協定が電撃合意!72億ドルの農産品関税引き下げで食卓はどう変わる?トランプ大統領も「米農家の勝利」と自信

2019年09月25日、世界が注目していた日米貿易交渉が大きな節目を迎えました。米通商代表部(USTR)が発表した声明によれば、日本側が米国産の農畜産品に対して、約72億ドル(日本円で約7800億円)規模の関税撤廃や引き下げを実施することで合意に達したとのことです。食欲の秋に届いたこのニュースは、私たちの生活に直結する牛肉や豚肉、さらには乳製品などの価格に影響を与える可能性が高く、各方面で大きな話題となっています。

ニューヨークで行われた署名式において、ドナルド・トランプ米大統領は「これは米国の農家にとって極めて大きな勝利である」と高らかに宣言しました。大統領がこれほどまでに自信を見せる背景には、TPP(環太平洋経済連携協定)から離脱した米国が、再び日本市場において他国と同等の競争力を手に入れられるという期待があるのでしょう。SNS上でも「スーパーの輸入肉が安くなるのでは」という期待の声と、「国内農家への打撃が心配だ」という不安の声が入り混じっています。

ここで改めて整理しておきたいのが「関税」という仕組みです。関税とは、海外から輸入される商品に対して国が課す税金のことで、本来は安価な外国産品から自国の産業を守る役割を果たしています。今回の合意により、例えば米国産牛肉にかけられている38.5%もの高い税率が段階的に引き下げられることになります。消費者にとっては高級なイメージのあった米国産ステーキが、より身近な存在になるかもしれません。しかし、これは同時に国内の生産者が厳しい競争に晒されることをも意味しているのです。

一方で、今回の合意はあくまで「第一段階」に過ぎないという点に注目すべきでしょう。ホワイトハウス側は、包括的な貿易協定の完全な実現を目指し、数カ月後にはさらなる追加交渉を開始する方針を明らかにしました。次なる焦点は、金融や通信といったサービス分野に移る見通しです。トランプ政権としては、大統領選挙を控えた時期ということもあり、まずは分かりやすい実績として農産品の成果を強調した形ですが、今後の議論の行方からは目が離せません。

編集者としての私見ですが、今回の合意は日米関係の安定を優先した「現実的な妥協点」であったと感じます。自動車への追加関税という最悪のシナリオをひとまず回避しつつ、農業分野で譲歩を示すことで、米国の面目を保ったと言えるでしょう。しかし、単に安さを喜ぶだけでなく、食の安全保障や日本の農業が持つ多面的な価値をどう守り抜くかという視点も忘れてはなりません。自由貿易の荒波の中で、私たちがどのような選択をしていくべきかが、今まさに問われています。

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