富山市の地価二極化が鮮明に!コンパクトシティの光と影、大型商業施設「ファボーレ」増床が与える衝撃

北陸地方の街づくりにおいて「優等生」と目されてきた富山市ですが、その足元では地価の「ひずみ」が静かに、しかし確実に広がっています。2019年9月26日現在の状況を紐解くと、北陸新幹線の延伸を見据えた再開発に沸く駅前エリアと、かつての賑わいを失いつつある中心商店街との間で、明暗がはっきりと分かれる結果となりました。

SNS上では「駅前が綺麗になるのは嬉しいけれど、馴染みの商店街が寂しくなるのは切ない」といった声や、「結局、車で行ける大型モールのほうが便利」という現実的な意見が交錯しています。行政が進める「コンパクトシティ(生活機能を一定の範囲に集約させ、効率的な行政運営を目指す都市形態)」の理想と、市民の利便性を求める動きが、地価という数字にシビアに反映されているようです。

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驚異の上昇を見せる駅前と、対照的に沈む伝統の商店街

2019年の基準地価において、富山県内で最も高い上昇率を叩き出したのは、富山駅から南に約400メートルという好立地にある「新富町2丁目」でした。上昇率は5.6%に達し、新幹線開通に伴うホテルやマンションの建設ラッシュ、そして活気あふれる飲食店街がその価値を押し上げています。投資の熱波が駅周辺を包み込み、都市としての求心力が一段と高まっている様子が伺えるでしょう。

ところが、そこからわずか1キロメートルほど南へ足を延ばすだけで、景色は一変してしまいます。県内最大の下げ幅を記録した「中央通り1丁目」は、かつて富山を代表した繁華街ですが、現在はシャッターを下ろした店舗が目立ち、人通りもまばらです。この1キロメートルというわずかな距離の間に、都市開発の恩恵を享受するエリアと、取り残されるエリアの残酷なまでの格差が生じています。

こうした状況の背景には、郊外型大型商業施設の圧倒的な集客力があることは否定できません。2019年10月に増床オープンを控える「ファボーレ」は、約180店舗を擁する巨大な拠点へと進化を遂げます。近隣に住む20代の女性が「近くに引っ越したいくらい便利」と語るように、現代のライフスタイルは、もはや「歩いて回る商店街」よりも「車で完結するモール」へと完全にシフトしているのです。

高岡市でも加速する「駅前離れ」と構造的な課題

富山県第2の都市である高岡市でも、同様の苦境が続いています。2019年8月には駅前の象徴的存在であった老舗百貨店「大和高岡店」が惜しまれつつ閉店し、中心市街地の地盤沈下を象徴する出来事となりました。一方で、駅から車で10分ほどの距離にある「イオンモール高岡」は同年9月14日に増床を果たし、利便性を追求する家族連れを磁石のように引き寄せています。

不動産鑑定の専門家によれば、こうしたショッピングモールへ向かう顧客は、残念ながら中心部の商店街へ回遊することはないといいます。商店街の多くは「棟割り長屋(一つの建物を壁で区切って複数の店舗が入る形式)」という古い構造になっており、一軒が廃業しても建物を一括で再開発することが難しく、街の「新陳代謝」を妨げる大きな要因となっているのが実情です。

行政がどれほど補助金を出して街なかに人を呼び込もうとしても、新幹線や大型モールという強力な「磁力」が、人流と投資を別の方向へ歪めてしまうのは仕方のないことかもしれません。しかし、商店街特有の温かみや文化が消えゆくのは、都市の個性を失うことにも繋がります。今後は「集約」するだけでなく、いかにして古い街並みに新たな価値を吹き込むか、その真価が問われることになるでしょう。

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