2018年07月に発生し、私たちの記憶に深く刻まれた西日本豪雨。あの未曾有の災害がなぜこれほど広範囲に及んだのか、そのメカニズムがついに科学の力で解き明かされました。京都大学防災研究所の竹見哲也准教授を中心とした研究チームは、当時の詳細な気象データを解析し、驚くべき事実を2019年09月27日までに国際学術誌の電子版で発表しています。
解析の結果、当時の日本上空は驚くほど大量の水蒸気に満たされ、湿度が極めて高い状態に陥っていました。本来、日本は四季の変化に富んだ温帯に属していますが、この時はまるで東南アジアのような熱帯地域に近い気象条件となっていたのです。この異常な湿潤環境が、雨の元となる積乱雲を広範囲で、しかも途切れることなく連続して発生させる引き金となりました。
広域で連鎖する積乱雲の猛威と地球温暖化の影
「積乱雲」とは、強い上昇気流によって垂直方向に大きく発達した雲のことで、しばしば激しい雷雨をもたらします。今回の研究では、2018年07月05日から2018年07月08日までの3時間ごとのデータを精査しました。その結果、大気の状態が極めて不安定だったことに加え、豊富な水蒸気が供給され続けたことで、積乱雲が次々と「多発・持続」する特異な状況が浮き彫りになったのです。
SNS上では今回の発表を受け、「毎年のように『数十年に一度』の雨が降っている気がする」「もう昔の日本とは気候が変わってしまったのではないか」といった不安の声が数多く寄せられています。研究チームも、地球温暖化がこのまま進行すれば、さらに激しい豪雨が日常化する危険性を警告しており、積乱雲の発達をより正確に予測する技術の確立が急務であると訴えています。
私自身の見解としても、もはや「これまでの経験」だけでは命を守れない時代に突入したと感じざるを得ません。科学的な解析によって「日本が熱帯化している」と突きつけられた以上、私たちは都市設計や避難計画を根本から見直す必要があります。積乱雲の一つひとつは小さくとも、それが束になって襲いかかる恐ろしさを、私たちは正しく理解し、備えていかなければならないでしょう。
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