事務機器大手の株式会社リコーが、音響通信という未知の可能性を秘めた技術への投資を決定しました。2019年10月07日、同社は音声にデジタル情報を埋め込む独自技術を持つスタートアップ、エヴィクサー株式会社に対して約1億円の出資を実施したと発表しています。この提携は、私たちが普段当たり前のように利用しているスマートフォンやモバイル通信の死角を補う、画期的な一歩となるはずです。
エヴィクサーが誇るのは、人間の耳には聞こえない非可聴領域の音にデータを忍ばせる「音響透かし」と呼ばれる高度なソフトウェア技術です。専用の送信機を新設せずとも、既存のスピーカーや館内放送といった音響設備をそのまま通信インフラとして活用できる点が最大の特徴でしょう。SNS上でも「特別なアンテナがいらないのは画期的」「映画館や地下街での活用が楽しみ」と、その利便性の高さに期待を寄せる声が広がっています。
電波の死角を克服する音響通信のポテンシャル
現代社会において、地下施設や入り組んだ屋内駐車場などは、依然として電波が届きにくい「通信の空白地帯」として課題が残されています。リコーはこの課題に対し、電波ではなく「音」を媒介にすることで解決の糸口を見出しました。音響通信であれば、コンクリートに囲まれた厚い壁の向こう側や、複雑な構造を持つ大規模ビルの中でも、既存の放送設備を通じて確実に情報を届けることが可能になります。
私は、この技術が単なる通信手段の代替に留まらず、防災や観光といった分野でも大きな役割を果たすと確信しています。例えば、災害時に電波塔がダウンした際、街中のスピーカーから避難情報をスマホへ直接送信できれば、多くの命を救う鍵になるでしょう。リコーとエヴィクサーの共創は、私たちのインフラの在り方を根本から変えるかもしれません。両社が描く、音で繋がる新しい世界の実現が今から非常に待ち遠しいですね。
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