2019年09月20日、日本の通信史に新たな1ページが刻まれます。NTTドコモは18日、ラグビーワールドカップ(W杯)の開幕に合わせて、次世代通信規格「5G」のプレサービスを開始すると発表しました。いよいよ私たちの手元に、未来の足音が聞こえ始めています。
今回の目玉は、なんといってもラグビー観戦の劇的な変化でしょう。5Gは、現行の4Gと比較して通信速度が最大100倍、遅延もほとんどないという夢のような特性を持っています。これにより、スタジアムで複数のアングルを自由に切り替えながら、選手の手に汗握る表情をリアルタイムで楽しむことが可能になるのです。
エンタメの常識を覆す5Gの圧倒的ポテンシャル
ドコモの吉沢和弘社長が「実質的な開始日」と断言する2019年09月20日に向けて、全国12会場のうち8つのスタジアムに基地局が整備されました。SNSでは「推しの選手を専用カメラで追いたい」「スポーツ観戦の概念が変わる」といった期待の声が溢れており、新時代の到来に胸を躍らせるファンが急増しています。
また、5Gの恩恵はスポーツだけにとどまりません。VR(仮想現実)や、現実世界にデジタル映像を重ね合わせるMR(複合現実)技術も大きな注目を集めています。例えば、リビングに専用ゴーグルを装着して立つだけで、壁からゲームの敵が飛び出してくるような、映画のワンシーンを自ら体験できる時代がすぐそこまで来ています。
競合他社も動きを加速させています。ソフトバンクは2019年07月末、フジロックフェスティバルで5Gによるライブ配信を試行しました。KDDIも横浜スタジアムでのスマート観戦を計画しており、キャリア各社による「5G体験」の囲い込み合戦は、今後さらに熱を帯びていくことが予想されます。
普及への壁と「キラーコンテンツ」不在の懸念
しかし、バラ色の未来ばかりではありません。5Gの恩恵をフルに受けるには専用のゴーグルや高価な端末が必要であり、バッテリーの持ちやデータ処理能力など、技術的なハードルは依然として高いままです。専門家は、4年後の2023年時点でも市場の主流は依然として4Gであり続けると予測しています。
ここで言う「キラーコンテンツ」とは、消費者が追加料金を払ってでも手に入れたい、決定的な魅力を持つサービスのことを指します。現状、ビジネス向け(BtoB)では工場内のIoT(モノのインターネット)化など活用が進んでいますが、個人向けには「5Gならでは」の決め手がまだ欠けている印象を拭えません。
私自身の見解としては、5Gは単なる「速い通信」ではなく、私たちのライフスタイルを再定義するインフラになると確信しています。ただ、10万円を超える端末価格や、現行より高額になると予想される月額料金は大きな障壁です。技術の進化を誰もが享受できる「価格の民主化」が、真の普及には不可欠でしょう。
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