2019年10月08日現在、日本の製薬業界で劇的な変化が起きています。アステラス製薬やエーザイといった業界大手が、データ分析の専門家を確保しようと一斉に動き出しました。これまでの製薬会社といえば「薬を作る」ことが本業でしたが、今後は蓄積された膨大なデータを武器に、病気を未然に防ぐアドバイスなど、人々の生活に寄り添う新たなビジネスモデルの構築を急いでいるようです。
SNS上では「ついに製薬会社が予防医学に本腰を入れるのか」「データサイエンティストの価値がさらに爆上がりしそう」といった期待と驚きの声が広がっています。IT業界の職種と思われがちなデータ分析官が、命を救う最前線である製薬現場でも主役級の扱いを受ける時代が到来したといえるでしょう。医療とデジタルの融合は、私たちの健康寿命を延ばす大きな鍵を握っているに違いありません。
AIが変える医療の常識!各社の驚くべき戦略
具体的な動きを見ていくと、各社の個性が際立ちます。アステラス製薬では、新薬開発の要となる「臨床試験(治験)」の分析にとどまらず、患者さんが実際に薬を服用した後の体温や血圧といった「リアルワールドデータ」の解析チームを今後数年で5割増員する方針です。これは、開発段階のデータだけでなく、日常生活の中での薬の効果や体調変化を精密に把握しようとする試みであり、非常に画期的なアプローチと言えます。
一方、エーザイは「データサイエンスラボ」の人数を倍増させる計画を立てています。食事や飲酒、喫煙といった生活習慣と生体データを掛け合わせ、個人に最適化された予防アドバイスを提供することを目指しているのです。また中外製薬は、AI(人工知能)を駆使した画像診断や疾患解析を強化し、病気の早期発見サービスに繋げようとしています。どの企業も、単なる「治療」から「予防・早期発見」へと領域を広げているのが分かります。
激化する人材争奪戦と「市民データサイエンティスト」の誕生
しかし、こうした野心的な計画の前に大きな壁が立ちはだかっています。それは深刻な「人材不足」です。経済産業省の予測によれば、2030年にはAIに関連する高度な人材が約12万人も不足するとされており、まさに椅子取りゲームのような様相を呈しています。中途採用や新卒採用だけでは追いつかない現状を受け、自社内で専門家を育てるという賢明な判断を下す企業も現れ始めました。
特に注目したいのが、塩野義製薬が導入した「市民データサイエンティスト」の育成プログラムです。これはIT専門部署ではない一般の社員にデータ分析手法を教育し、組織全体の底上げを図る取り組みを指します。個人的な意見を言わせていただければ、専門家だけに頼らず、現場を知る社員がデータを扱えるようになることは、真の意味での「デジタルトランスフォーメーション」を加速させるための、最も本質的で力強い一歩だと確信しています。
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