2019年5月28日、政府は「2018年度 食料・農業・農村の動向」、通称「農業白書」を閣議決定しました。そこで示された数字は、日本の農林水産業がいかに深刻な自然災害に見舞われたかを物語る、衝撃的なものでした。2018年の1年間における農林水産関係の被害額は、試算でなんと5679億円に上ったのです。
この5679億円という金額は、過去10年間で、あの未曾有の大災害であった東日本大震災(2011年、被害額2兆7055億円)に次ぐ、2番目の規模となります。SNS上でも「5000億超えは想像以上だ」「異常気象が日常化している証拠」といった驚きや懸念の声が広がりました。異常気象に伴う災害が年々深刻化している傾向が、改めて浮き彫りになった形です。
被害額の内訳を見ると、2018年7月の西日本豪雨によるものが3307億円と最も大きく、全体の6割近くを占めました。特に愛媛県宇和島市周辺では、みかんなどの樹園地が大規模に崩落。さらに広島県では、農業用水を貯めておく「ため池」が複数決壊し、下流域の農地や施設に甚大な被害をもたらしています。
また、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震による被害も1145億円に達しました。林地の大規模な崩壊に加え、北海道全域が停電するという前代未聞の事態(ブラックアウト)が、特に酪農家を直撃。停電で搾乳機や生乳の冷却装置が使えなくなり、多くの生乳が廃棄されたほか、牛が乳房炎などの病気になる被害も拡大しました。
今回の農業白書では、こうした深刻な被害を踏まえ、国が進める対策も紹介されています。決壊リスクのある「ため池」の改修や、酪農家向けの停電対応計画の策定、そして耐久性が不十分な農業用ハウスの補強支援などです。同時に、農業者自身も「共済」や「収入保険」といったセーフティネットに加入し、災害に備える自助努力の重要性も強く訴えられています。
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