2019年10月10日、日産自動車は混迷を極めた経営の舵取りを刷新し、内田誠氏を中心とした新たなリーダーシップ構造を世に示しました。前社長の西川広人氏が退任した背景には、かつてのカリスマ、カルロス・ゴーン元会長の不在を埋めるべく奔走したものの、重要事項が特定のメンバーのみで決定されるという「クローズドな意思決定」への強い反省があったといえるでしょう。
新体制の最大の特徴は、一人に権限を集中させない「集団指導体制」の構築にあります。これは複数のトップ層が意見を出し合い、透明性を確保しながら組織を運営する仕組みを指しており、独断専行を防ぐ安全装置としての機能が期待されています。SNS上では「ワンマン経営からの脱却は評価できる」といった好意的な声の一方で、合議制によるスピード感の低下を懸念するシビアな意見も散見されました。
北米事業の再建と生産合理化への険しい道のり
日産が直面している最大の課題は、屋台骨である北米市場での苦戦です。過度な値引き販売によってブランドイメージが低下し、収益性が悪化している現状を打破するため、新体制では「生産合理化」という抜本的なメスを入れる方針を打ち出しました。生産合理化とは、無駄なコストを省き、工場の稼働効率を最適化して利益を生み出しやすい体質に変えることを意味します。
自動車業界の編集者として私が見るに、この合理化は単なるリストラに留まってはなりません。縮小均衡に陥ることなく、いかにして日産らしい「走りの魅力」を再定義できるかが鍵を握るはずです。ネット上では「昔のワクワクする日産に戻ってほしい」というファンからの切実な願いが溢れており、今回の構造改革がその第一歩となるかどうかに世界中の注目が集まっています。
さらに、次世代のモビリティ社会を見据えた新技術の開発も、新体制の命運を左右する重要なミッションとなります。電気自動車(EV)や自動運転技術において先駆者であった自負を胸に、競合他社に遅れを取らない「即断即決」のスピード感が、今の集団指導体制には何よりも求められているのです。新体制が始動した2019年10月10日は、日産の真の再生に向けた長い旅路の始まりと言えるでしょう。
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