2019年10月1日の消費税率引き上げを目前に控え、各地で消費者の動きが活発化していました。中国四国百貨店協会が2019年10月23日に発表した統計によれば、2019年9月における中国地方5県の百貨店売上高は、前年の同じ月と比べて16.8%も増加し、総額は216億6800万円に達したそうです。
この劇的な数字の背景には、増税前に少しでも安く買い物を済ませたいという「駆け込み需要」が強く影響しています。駆け込み需要とは、税率が変わる直前に商品を購入しようとする消費行動を指しますが、今回は特に高額商品や消耗品をまとめ買いする動きが目立ちました。百貨店という場所柄、その傾向はより顕著に表れたといえるでしょう。
SNS上では「今のうちに憧れのブランド品を買っておこう」「お気に入りの化粧品をストックした」といった投稿が相次ぎ、増税をポジティブな買い物チャンスと捉える雰囲気さえ漂っていました。実際に売り場では、普段は慎重に検討される美術品や宝飾品、貴金属といった高価なアイテムが飛ぶように売れ、大きな盛り上がりを見せていたのです。
また、日常的に使用する化粧品についても、数パーセントの税率差を意識して、賢くまとめ買いを選択する方々が多く見受けられました。こうした熱狂的な売れ行きは、百貨店にとっては久しぶりの明るいニュースとなりましたが、その一方で現場からは「10月以降の買い控えが怖い」といった切実な不安の声も漏れ聞こえています。
編集者の視点から見れば、この16.8%という伸び率は、増税というイベントがどれほど日本人の消費心理を揺さぶるかを象徴していると感じます。お得感を求めるのは消費者の本能ですが、短期間にこれほど需要が集中すると、供給側のオペレーションも大変だったはずです。祝祭感のある盛り上がりも、一過性のもので終わる可能性が高いでしょう。
今後、増税が実施された後の2019年10月以降は、反動減による売上の落ち込みが避けられない情勢です。消費者が財布の紐を固く締める「冷え込み」に対して、各店舗がどのような次の一手を打ち出すのか、目が離せません。増税後のポイント還元施策などが、どこまで消費を支えられるかが今後の大きな焦点となりそうです。
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