【ユニクロの国内再生戦略】初の女性CEO赤井田真希氏(40)が挑む「個店経営」とネット販売強化の未来

ファーストリテイリングが展開する「ユニクロ」の国内事業が、大きな変革期を迎えています。その目玉となるのが、2019年6月から日本事業の最高経営責任者(CEO)という重責に、女性として初めて就任した赤井田真希グループ執行役員(40)です。ユニクロの創業者である柳井正会長兼社長が長年務め、その手腕が試される重要なポジションに、執行役員昇格からわずか半年足らずで抜擢された赤井田氏の登場は、業界内外で大きな話題を集めています。

赤井田氏は、2001年にユニクロへ入社した生え抜きで、新潟県内の店舗を皮切りに、中国・上海や東京・銀座といった国内外の大型店で店舗運営に関する確かなノウハウを培ってきました。直近では、東京都武蔵野市にある吉祥寺店において、全国有数の繁盛店をまとめ上げる「やり手の女性」として実績を重ねており、その店舗運営の手腕は業界内で高く評価されていると言えるでしょう。彼女が今年1月には、新卒採用の女性社員として初めて、ファーストリテイリングのグループ執行役員へ昇格したことからも、その実力が伺えます。

この人事の背景には、ユニクロ国内事業の再成長という喫緊の課題があります。少子高齢化が進み、消費者のニーズが多様化している現代において、約820店(フランチャイズチェーン含む)を抱える国内店舗のあり方を見直す必要性に迫られていたからです。実際、2018年9月から2019年2月までの既存店売上高は前年同期比で0.9%減となり、3年ぶりのマイナスを記録しています。さらに、2019年4月と5月も2カ月連続で前年実績を下回り、客単価も5カ月連続でマイナスと、早急なテコ入れが求められている状況です。

柳井社長は、国内店舗数は中期的に減少していくと見込んでおり、ユニクロは現在、より良い立地への「スクラップ&ビルド」(既存のものを廃棄・解体し、新しく建設すること)や、一つ一つの店舗を大型化する施策に注力しています。ファーストリテイリングのある幹部からは、「良くてトントン(収支均衡)。いかに落ち方を小さくしていくか」といった声も聞かれるほど、国内事業の立て直しは難しい局面を迎えていると言えるでしょう。それゆえに、柳井社長は、店舗運営の実績が豊富な赤井田氏の手腕に大きな期待を寄せていると推察できます。

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国内再成長の鍵を握る「個店経営」とデジタル戦略

赤井田氏に託された最大のミッションは、各店舗がそれぞれの「個性」を打ち出せるようにすることだと考えられます。柳井社長が常々提唱する「生き残るには『個店経営』が必要」という考え方は、これまでのチェーン店が重視してきた、どの店でも均一なサービスを提供するオペレーションからの脱却を意味しています。今後は、販売する商品は同じであっても、地域ごとの特性に応じて店舗の見せ方を変えたり、地元の商店などと連携した取り組みを進めたりすることで、新たな成長の可能性を切り拓くことができるでしょう。このような地域性を生かした店舗運営は、客単価の底上げにも繋がるはずです。

そして、国内事業の再成長に不可欠なのが、ネット販売の強化です。現在のユニクロ国内売上高に占めるネット販売の割合は約1割にとどまっています。今後は、ネットで注文した商品を自宅だけでなく、店舗やコンビニエンスストアでも受け取れるサービスを拡充することで、ネット注文数の増加を図り、その比率を早期に3割まで引き上げることが目標とされています。さらに、ネット限定の商品やサービスなどを充実させることも、デジタル時代においては求められるでしょう。

この女性トップへの人事については、SNS上でも「これまでのユニクロにない新しい視点が入ることに期待」「女性のキャリアアップとして励みになる」といった好意的な意見が多く見受けられ、大きな反響を呼んでいます。一方、「国内事業の伸び悩みは商品力の問題もあるのでは」「この難局をどう乗り切るか」といった厳しい意見もあり、赤井田氏への注目度の高さがうかがえます。

現在のファーストリテイリングは、好調な中国事業が全体の業績を下支えしていますが、中国人の消費意欲がいつまで続くかは不透明な部分があります。そのため、赤井田氏の抜擢によって、停滞気味の国内事業を早期に立て直すことができるかどうかが、今後のユニクロ全体の成長を占う試金石になると言えるでしょう。店舗の現場を知り尽くした「やり手」の女性CEOが、どのようにして国内再生という難題に立ち向かうのか、その采配に注目が集まっています。

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