陶磁器の街として知られる愛知県常滑市から、歴史の息吹を感じさせる心躍るニュースが届きました。住宅設備大手のLIXILは、2019年10月26日に「INAXライブミュージアム」内の主要施設である「窯のある広場・資料館」を改装オープンさせました。かつて街の風景を彩った巨大な煙突と、重厚なレンガ造りの窯が再び一般公開されることとなり、地域の文化遺産に新たな命が吹き込まれています。
この資料館の目玉は、1921年からおよそ50年間にわたり、実際に土管などの製造に使用されていた本物の「窯(かま)」です。窯とは、粘土を焼き固めて製品にするための巨大な加熱施設のことで、日本の近代化を支えた窯業(ようぎょう)の根幹を成す設備といえます。1997年にはその歴史的価値が認められ、国の登録有形文化財にも指定されましたが、近年は老朽化による保全が大きな課題となっていました。
そこで2016年から着手されたのが、建物の保存と安全性を両立させるための大規模な保全工事です。特に、空にそびえ立つレンガ造りの煙突は耐震性の確保が難しかったため、一度解体した上で鉄筋コンクリート造りの芯材に元のレンガを貼り付けるという、伝統と現代技術を融合させた手法が採られました。この緻密な再現作業には、SNSでも「景観を守るための英断だ」と期待の声が多く寄せられています。
リニューアルされた館内では、単に古いものを展示するだけでなく、当時の職人たちが磨き上げた高度な技術や歴史を肌で感じることができるでしょう。2018年度の来館者数は約7万人を記録していますが、今回の改装をきっかけに年間10万人の来場を目指すとのことで、観光の目玉としての期待も高まります。産業遺産を未来へ繋ごうとするLIXILの姿勢には、編集部としても深い敬意を表したいと感じました。
私たちが毎日何気なく使っているタイルや衛生陶器の原点がここにはあります。SNSでは、早速リニューアルした煙突を撮影し「常滑のランドマークが戻ってきた」と喜ぶ投稿が相次いでおり、写真映えするスポットとしても注目を集めることでしょう。新旧の技術が交差するこのミュージアムは、家族連れから建築ファンまで、幅広い層を魅了する特別な場所になるに違いありません。
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