2019年3月から段階的に進められてきた伊勢丹新宿本店の壮大なリニューアルプロジェクトが、いよいよその全貌を現し始めています。2019年8月には、本館2階の婦人靴フロアと4階のジュエリーショップが装いも新たにリフレッシュオープンを果たしました。今回の改装において特筆すべき点は、百貨店が長年培ってきた「対面での心温まる接客」に、最先端のデジタル技術を融合させたことです。
ネットショッピングが当たり前となった現代において、あえて実店舗に足を運ぶ価値がどこにあるのかを、同店は改めて問い直しているのでしょう。例えば、靴フロアでは3D計測器を活用した画期的な商品提案が始まっています。SNS上でも「自分の足を数値化してもらえるのは安心感がある」「プロの視点とデータの組み合わせは最強」といった驚きと期待の声が数多く寄せられており、大きな反響を呼んでいるようです。
世界に一足の履き心地!3Dプリンターが変えるオーダーメイドの常識
今回のリニューアルの目玉といえるのが、デンマーク発のシューズブランド「エコー(ECCO)」のブースで提供されている驚きのサービスです。ここでは3Dプリンターを駆使して、個人の足の形や歩行データに完全に合致した「ミッドソール」を作成するオーダーサービスが展開されています。ミッドソールとは、靴の表地と靴底の間に挟まれたクッション材のことで、歩行時の衝撃を吸収する重要な役割を担うパーツです。
従来の既製品では解決できなかった微妙なフィット感の悩みも、個々の歩き方の癖まで分析するこの技術によって解消されるに違いありません。百貨店の強みであるコンサルティング能力が、テクノロジーという強力な武器を得て、まさに「ハイテクなおもてなし」へと昇華された印象を受けます。単にモノを売る場所から、自分だけの特別な体験を得る場所へと、百貨店の役割は劇的な変化を遂げようとしているのではないでしょうか。
私自身の視点から述べさせていただくと、こうしたデジタルとアナログの融合こそが、今後の実店舗が生き残る唯一の道だと確信しています。ECサイトの利便性は否定できませんが、自分の身体データを目の前で解析してもらい、専門スタッフと対話しながら最適な一品を作り上げる体験は、決して画面越しでは味わえません。人間味あふれる接客に科学的な裏付けが加わることで、顧客満足度はこれまでにない高みに到達するはずです。
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