毎日の食卓に欠かせない調味料であるソースですが、その製造工程や原材料を詳しく知る機会は意外と少ないものです。東京都東村山市に本拠を置く老舗ソースメーカーのポールスタアが、2019年11月11日に「無添加ソースの手作り体験」が楽しめる新店舗をオープンしました。
この新店舗は、もともとあった直売店を約2800万円という巨額の費用を投じて改装したもので、名前は「さくら茶屋」といいます。ここでは、化学の力に頼らない「無添加」にこだわったソース作りを、プロの指導を受けながら体験できるのが最大の魅力でしょう。
五感を刺激するカスタマイズ体験の魅力
体験イベントは2019年11月18日からスタートし、参加者は野菜と12種類のスパイスを煮込んだ秘伝のベーススープを使い、自分好みの味を追求できます。砂糖は5種類、酢は3種類も用意されており、甘みを際立たせたり、キリッとした酸味を効かせたりと、配合は自由自在です。
「無添加」とは、保存料や着色料、そして「うま味調味料(アミノ酸等)」といった添加物を使用しないことを指します。自然の素材だけで深みのある味を作り出す過程は、食の安全を意識する現代人にとって、知的好奇心を満たす素晴らしい機会となるはずです。
出来上がった熱々のソースは、その場でおかずにかけて試食できるだけでなく、瓶に詰めて自宅へ持ち帰ることも可能です。食事付きで1人3000円という価格設定ですが、SNSでは「自分だけのオリジナルソースが作れるなら安い」「食育にも良さそう」と、早くも期待の声が上がっています。
地域と食を繋ぐ編集者の視点
この取り組みの素晴らしい点は、単なるワークショップに留まらず、東村山市内の農家から仕入れた新鮮な野菜や、コロッケなど10種類の惣菜を販売する拠点としても機能している点です。地元の産業と食文化を同時に発信する姿勢には、企業としての強い地域愛を感じます。
私自身、情報の溢れる現代だからこそ、こうした「手触りのある体験」が消費者の心を掴むと考えています。桜井憲一社長が語る「ソースの良さを正しく理解してほしい」という願いは、体験を通じて参加者の胃袋と心に深く刻まれることでしょう。
平日の予約制(5名から10名)というハードルはありますが、友人同士で連れ立って「食の探究」に出かける価値は十分にあるでしょう。自分の手で煮詰めたソースが完成した瞬間の香りは、きっと一生モノの思い出になるに違いありません。
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