2019年、卒FITで太陽光発電が新時代へ!電力争奪戦の裏側と賢い売電先の選び方

2019年11月05日、日本のエネルギー市場は大きな転換点を迎えました。家庭用太陽光発電の固定価格買い取り制度、通称「FIT」の適用期間が、一部の家庭でいよいよ満了し始めたのです。これに伴い、売電先を自由に選べる「卒FIT」という新たなマーケットが誕生し、各社の激しい顧客争奪戦が火蓋を切りました。

この動きに対してSNSやネット上では、「ようやく自由に選べる時代が来た」「どこに売るのが一番お得なのか迷う」といった期待や戸惑いの声が多く上がっています。かつて1キロワット時あたり48円という高値で買い取られていた電力が、制度の卒業によってどう変化していくのか、日本中の注目が集まっている状況です。

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そもそも「FIT」と「卒FIT」とは?

ここで少し専門用語を整理しましょう。FIT(固定価格買い取り制度)とは、再生可能エネルギー普及のため、国が定めた価格で電力会社が一定期間買い取ることを約束した仕組みです。今回、2009年に制度を開始した初期の利用者たちが10年の節目を迎え、その約束期間を終えることを「卒FIT」と呼んでいます。

経済産業省の推計によれば、2019年だけで約53万件もの家庭がこの節目を迎えます。2023年には累計165万件にまで膨らむ見通しで、その総発電量は原子力発電所6基分に相当する巨大な規模となります。まさに「エネルギーの地産地消」が本格的に試される、再生エネビジネスの試金石と言えるでしょう。

大手電力vs新電力!提示された買い取り価格の差

これまでの買い取り主だった大手電力会社は、顧客の流出を防ぐために必死です。東京電力エナジーパートナーは8.5円、関西電力は8円といった標準的なプランを提示しています。市場価格を反映した現実的な数字ですが、他地域から参入する中部電力が首都圏で9円を提示するなど、大手の間でも火花が散っています。

一方で勢いがあるのが、ガス会社や新電力といった新興勢力です。東京ガスは10.5円(同社との電力契約が条件)、JXTGエネルギーは11円と、大手を上回る高値を設定して攻勢をかけています。自前の発電所をあまり持たない新電力にとって、卒FIT電力の確保は経営を安定させるための貴重な「宝の山」なのです。

蓄電池や環境経営、多様化する独自の付加価値

価格以外の魅力で勝負する企業も増えています。パナソニックやシャープといった電機メーカーは、自社の蓄電池を購入することを条件に、最大で14〜16円という破格の買い取り価格を提示しました。これは電気を「売る」だけでなく、蓄電池に貯めて「自分で使う」スタイルへのシフトを促す狙いがあります。

また、住宅メーカーの積水ハウスは、自社の顧客から11円で買い取った電力を、自社の事業活動に充てることで「RE100(事業活動の電力を100%再生エネで賄う国際指針)」の達成を目指しています。単なる売買を超えて、環境への貢献というブランド価値を顧客と共に創り上げようとする試みは非常に現代的です。

編集者が見る「エネルギーの未来」への視点

私たちが注目すべきは、この競争が単なる「小銭稼ぎ」ではないという点です。ふるさと納税サイトと連携して電力を寄付し、返礼品を受け取るといったユニークなサービスも登場しています。電力が「ただ消費するもの」から「誰かを応援したり、ライフスタイルを表現したりするもの」へと進化していると感じます。

価格競争の激化は、電力会社にとっては収益を圧迫する厳しい側面もあります。しかし、私たち消費者が賢く選択し、再生可能エネルギーが市場原理の中で自立していくことは、日本のエネルギー自給率向上に不可欠です。この記事が、皆さんの屋根に乗った太陽光の「新しい価値」を考えるきっかけになれば幸いです。

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