2019年11月08日、日本の投資環境を大きく揺るがすニュースが飛び込んできました。政府は外国投資家による国内企業への出資規制を強化する「外国為替及び外国貿易法(外為法)」の改正案を閣議決定したのです。これまで、安全保障に関わる上場企業の株式を10%以上取得する際に必要だった事前届出の基準が、一気に「1%以上」へと引き下げられることになりました。
この劇的な変化に対し、SNSや投資家の間では「日本市場の閉鎖性が強まるのではないか」といった懸念の声が相次いでいます。そもそも外為法とは、対外取引の正常な発展を目的とした法律ですが、今回の改正は安全保障上の重要技術が海外に流出することを防ぐ狙いがあります。しかし、基準が10倍も厳格化されることで、通常の経済活動まで停滞させてしまうリスクを孕んでいると言えるでしょう。
「悪魔は細部に宿る」実務上の免除規定がカギ
まさに「悪魔は細部に宿る」という言葉通り、制度の成否は今後策定される詳細な運用ルールに懸かっています。機関投資家が純粋な投資目的で株を購入する場合、どのような条件下で届出が免除されるのかが最大の焦点です。もし事務手続きが煩雑になり過ぎれば、海外マネーが日本を素通りする「ジャパン・パッシング」を招きかねません。
私は、今回の改正が日本経済の「守り」を固める一方で、「攻め」の姿勢を削いでしまうことを危惧しています。自由な資本の流動性は、イノベーションを促進する不可欠なスパイスです。政府には、安全保障の確保と投資の活性化という、相反する課題を両立させる極めて繊細な舵取りが求められています。
2019年11月08日現在の状況を見る限り、市場は期待よりも不安を抱えながら、具体的な適用除外の範囲が示されるのを待っています。日本の投資的な魅力を損なわないためには、透明性の高い議論と、投資家を納得させる合理的な説明が不可欠でしょう。今後の法案審議の行方から、一瞬たりとも目が離せそうにありません。
コメント