世界的な消費財メーカーであるユニリーバの日本法人、ユニリーバ・ジャパン(東京都目黒区)は、2019年6月27日に大変意欲的な環境戦略を公表しました。それは、2020年までに、同社が使用するほぼ全てのボトル容器の素材を、石油由来のプラスチックから再生樹脂へと切り替えるというものです。具体的には、ペットボトルの主原料であるポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、ほぼ全量、再生PETに置き換えることを目指しています。この英断は、サステナブル(持続可能)な社会の実現に向けた同社の強い決意を示すものと言えるでしょう。
この取り組みの皮切りとなるのは、同社のヘアケア主要ブランド「LUX(ラックス)」です。2019年8月5日以降に発売される新商品やリニューアル商品から、順次、再生樹脂が使用される予定です。発表を行ったユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングの高橋康巳社長兼最高経営責任者(CEO)は、記者会見で「(再生樹脂への代替を通じて)使い捨て社会から、資源を再生しゴミを出さない循環型社会を目指したい」と熱意を語りました。この「循環型社会」とは、資源を有効活用し、廃棄物の発生を最小限に抑える社会のあり方のことで、現代の重要な課題の一つです。
もちろん、再生樹脂への切り替えには課題も伴います。現時点では数パーセントのコスト増が見込まれているとのことですが、同社はこの増加分を、今後プラスチックの使用量を削減した新たな容器を採用するなど、様々な効率化策で吸収していく方針です。スケジュールとしては、まず2019年8月に詰め替え容器の素材に再生PETが採用され、さらに同年10月には、ボトル本体に再生PETを最大95%使用した製品の投入が計画されています。さらに、2020年春には、容器のプラスチック使用量を24%も削減した製品の発売も視野に入れているというのですから、その本気度が伺えます。
ユニリーバは、環境問題への取り組みを積極的に進めており、親会社である英蘭ユニリーバも、2025年までに包装容器に使用するプラスチックの25%を再生素材に代替する目標を公表していました。今回の日本法人による取り組みは、その目標を先取りし、さらに踏み込んだものと言えます。特に注目すべきは、使用済みの飲料用ペットボトルを回収・再利用し、それをヘアケア商品などの容器として活用する、国内での循環サイクルを独自に確立できた点でしょう。これは、資源の調達から製品化、そして再利用までを見据えた、まさに「サーキュラーエコノミー」の体現です。
この環境への配慮は、特にSNS上などで大きな反響を呼んでいます。「企業がコスト増を覚悟して環境に配慮するのは素晴らしい」「再生ボトルへの切り替えは、消費者としても非常に支持できる」「毎日使う商品でエコに貢献できるのが嬉しい」といった好意的な意見が多数見受けられます。一方で、「再生樹脂の品質や供給体制は大丈夫か」「コスト増が最終的に製品価格に転嫁されないか」といった懸念の声も一部にはあります。しかし、ユニリーバ・ジャパンのこの大胆な一歩は、日本の消費財業界におけるSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献という観点からも、非常に重要なマイルストーンとなることでしょう。使い捨てからの脱却を目指す同社の今後の展開に、引き続き期待が高まります。

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