タイの首都バンコクから北東へ車を走らせること約3時間、そこには都会の喧騒を忘れさせてくれる別天地が広がっています。標高400メートルから1300メートルの高原に位置する「カオヤイ」は、熱帯の国にありながら平均気温が23度前後という非常に過ごしやすい気候が特徴です。その清涼な空気感から、現地に暮らす日本人の間では「タイの軽井沢」という愛称で親しまれています。
カオヤイの象徴とも言えるのが、東京都の面積に匹敵する約2200平方キロメートルの広大な国立公園です。ここはタイで最も歴史ある国立公園であり、その豊かな生態系が認められ、2005年にはユネスコ世界自然遺産にも登録されました。広大な森には野生のゾウやトラなど、多種多様な動物たちが息づいており、まさに生命の宝庫と呼ぶにふさわしい場所でしょう。
2019年11月08日現在、国立公園への入場料は外国人の大人で500バーツ(約1750円)となっており、車で園内を巡りながら本格的なトレッキングや息をのむような絶景を堪能できます。バンコクの大気汚染を避け、家族でリフレッシュに訪れていたレックさん(36歳)も、この地の澄んだ空気の美味しさを絶賛していました。健康意識の高まりと共に、こうした自然回帰の旅は今後も支持を集めるはずです。
進化するリゾート地!美食とワインが彩る高原のひととき
かつては富裕層が別荘を構える隠れ家的な場所でしたが、タイの経済発展に伴い、現在は日帰りを楽しむ中間層にも人気の行楽地へと進化を遂げました。SNS上でも「バンコクからすぐ行ける最高の癒やしスポット」「タイにいることを忘れる涼しさ」といったポジティブな投稿が相次いでおり、写真映えする牧場や色鮮やかな花畑が点在するエリアとして、若者たちの視線も釘付けにしています。
特に注目すべきは、カオヤイが誇る「新緯度帯ワイン」の存在です。本来、ワイン造りに適した緯度は北緯・南緯30度から50度とされていますが、それ以外の地域で造られるワインはこう呼ばれます。1998年に創業した「PBバレー・カオヤイ・ワイナリー」は、タイ最大手のビールメーカー・シンハーの経営一族が手掛けており、常識を覆す高品質な1本を世に送り出しています。
こちらのワイナリーで醸造されるワインは、すでに欧米の品評会で数々の賞を獲得しており、世界的な評価を着実に高めています。私自身の見解としても、土地の個性を活かした「タイ産ワイン」は、今後アジアのガストロノミー(食文化)を牽引する重要な要素になると確信しています。豊かな緑に囲まれながら、世界が認めた至福の一杯を味わう時間は、何物にも代えがたい贅沢な体験となるでしょう。
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