世界的な楽器メーカーとして名高いヤマハが、2019年11月1日に2020年3月期の連結決算予想を発表しました。公表された内容によると、最終的な儲けを示す純利益は、前の期と比べて3%増える415億円になる見通しです。当初の目標であった5%増からは一歩後退した形ですが、厳しい市場環境の中でも着実な成長を描こうとする企業の姿勢が伺えますね。
今回の目標修正には、為替相場における「円高」が大きな影を落としています。一般的に円高とは、外国の通貨に対して日本円の価値が上がる現象を指しますが、輸出企業にとっては逆風となります。海外で製品を売って得た外貨を日本円に戻す際、受け取れる金額が目減りしてしまうからです。ヤマハの場合、特に対ユーロでの円高が収益を圧迫する要因となりました。
SNS上では「楽器のクオリティは高いのに、世界情勢に左右されるのは切ない」といった声や、「円高傾向でも増益を維持するのは流石だ」という応援のコメントが寄せられています。特に音響機器の輸出採算が悪化している点は、オーディオファンからも注目を集めました。加えて、スマートフォンの普及ペースが落ち着いたことで、製造に欠かせない部品検査装置の販売も苦戦を強いられています。
ヤマハの試算によれば、対ユーロでわずか1円の円高が進むだけで、本業の利益が年間で4億4000万円も削られてしまうそうです。2019年11月以降の下期レートを1ユーロ=120円と厳しく見積もった判断は、極めて現実的と言えるでしょう。経営陣が市場の変動を敏感に察知し、先回りして通期予想を下方修正した点には、編集部としても堅実な危機管理能力を感じずにはいられません。
株主還元で攻めの姿勢!150億円規模の自社株買いを実施
業績予想の下方修正という少し暗いニュースの一方で、投資家を驚かせたのが「自社株買い」の発表です。これは企業が自らの資金を使って、市場に出回っている自社の株式を買い戻すことを指します。これにより1株あたりの価値が高まるため、株主にとっては非常に嬉しい「攻め」の還元策となります。ヤマハは最大150億円を投じて、発行済み株式の2.2%を買い付ける計画です。
買い付けの期間は2019年11月5日から2020年3月31日までと設定されており、長期的な視点で株価を支える仕組みを整えました。2019年4月から9月までの中間決算では、売上高が前年同期比で2%減少するなど足元の数字は楽観視できませんが、こうした還元策を打ち出すことで市場の信頼を繋ぎ止めようとしています。ブランド力を背景に、この苦境をどう乗り越えるのか目が離せません。
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