総合商社の三井物産が、アジアの急成長市場で新たな一手(いって)を打ち出します。2019年5月28日までの情報によれば、同社は2019年9月より、インドネシアで「高級牛乳」の販売を開始することを決定しました。SNSでは「商社が牛乳とは意外!」「インドネシア市場の将来性に着目したのはさすが」など、驚きと期待の声が上がっています。
インドネシアでは近年、所得の向上によって食生活の洋風化が急速に進んでいます。これまで乳製品はなじみが薄い存在でしたが、英ユーロモニターの調査では、同国の乳製品市場は2013年から2018年の5年間で7割も拡大。特に牛乳市場は倍増するなど、爆発的な成長を遂げているのです。
このチャンスを掴むため、三井物産は現地食品大手ABCグループと連携。西ジャワ州の高原で運営する牧場に、2019年4月、オーストラリアから乳牛200頭を航空機で空輸しました。さらに2019年10月にも200頭を追加し、高品質な生乳の生産体制を強化します。
投入する商品は、味で差別化を図るチルド牛乳です。現地では常温保存可能で安価な脱脂粉乳が主流ですが、美味しさの点で劣ります。そこで、賞味期限を延ばしつつ風味を保つ「ESL製法」という技術を採用し、まずは現地の高級スーパーから供給を開始。現地大手も数社が生産を始めたばかりの分野で、早期にシェアを確立する狙いがあります。
さらに注目すべきは、現地の工場がイスラム教の戒律に適合していることを示す「ハラル認証」を取得している点です。これは世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシア市場で必須であり、将来的にはこの認証を強みに、中東やアフリカ地域への輸出も検討していくことでしょう。
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