🔥米中貿易戦争に新展開!G20で実現する首脳会談の裏側と中国の「訪朝カード」が世界経済に与える影響を徹底分析

2019年6月28日から29日にかけて大阪で開催されるG20サミット、ここで世界の注目を集めるのが、ドナルド・トランプ米大統領と習近平国家主席による米中首脳会談の開催決定でしょう。昨年2018年12月の会談以来、およそ7カ月ぶりとなるトップ会談が、膠着(こうちゃく)状態にある貿易交渉を再び動かすことができるのか、世界中が固唾をのんで見守っています。私自身、この会談は単なる貿易協議の再開にとどまらず、国際情勢のパワーバランスを占う上で極めて重要な分岐点だと考えています。

会談開催の合意は、6月18日の両首脳による電話協議で成立しました。トランプ大統領は、ホワイトハウスでの記者団とのやり取りで、「中国は取引をしたがっている。追加関税を課せば中国から企業がさらに流出する」と述べ、交渉再開を自国の優位性を示す材料として強くアピールしています。これは、中国からの輸入品ほぼ全てに追加関税を課す「第4弾」の発動を控えているという、アメリカ側の強気の姿勢の裏返しともいえるでしょう。一方の中国側も、一時は会談見送りの可能性まで囁かれていた中で、習主席が受け入れに踏み切った背景には、ただならぬ事情がありそうです。

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会談成功の鍵を握る中国の外交カード「北朝鮮」

習主席が会談に臨むにあたり、その直前の6月20日から21日に北朝鮮を公式訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談するという動きは、単なる慣例的な外交訪問ではありません。これは14年ぶりの中国国家主席による北朝鮮訪問であり、停滞している米朝間の非核化交渉の橋渡し役を担う姿勢を国際社会に示す狙いがあると考えられます。中国は、北朝鮮の主要な後ろ盾(パトロン)として、この問題を対米交渉における数少ない主導権を握れる「カード」として巧みに利用しようとしているのです。

本来、米中首脳会談の主眼は貿易問題にあるべきですが、中国側が北朝鮮問題を絡ませることで、もし会談が合意に至らなかった場合の習主席へのダメージを国際的な関心の分散によって軽減しようという慎重な戦略が見て取れます。トランプ大統領も自身のツイッターで「拡大会合を開く」と投稿しており、中国国営テレビも習主席が「米中関係の根本的な問題で意見を交わす」と発言したと伝えていることから、貿易問題に限定せず、北朝鮮の非核化を含めた幅広い議題を扱うことで両国が既に了解していると判断できるでしょう。

トランプ大統領も、6月18日に再選出馬を正式に表明したばかりで、選挙戦を有利に進めるためにも、世界経済の不安定化要因となっている中国との貿易協議をまとめて「手柄」としたい思惑があることは間違いありません。中国商務省対外貿易研究所の梁明所長も、「トランプ氏は選挙運動を開始すれば合意を焦る」と分析するように、アメリカ側の国内政治的な動機も、今回の会談実現に大きく影響しています。

埋まらない溝:産業補助金と追加関税の行方

会談の実現は一歩前進ですが、肝心の貿易交渉の主要論点における双方の主張の隔たりは非常に大きく、楽観視はできません。最も深い溝となっているのが、中国の「産業補助金」の扱いです。アメリカは地方政府を含む全国規模での補助金撤廃を求めていますが、中国側はこれを「経済体制の根幹」に関わる問題としており、撤廃には極めて慎重です。補助金とは、特定の産業や企業に対し、政府が資金援助や税制優遇を行うことで、国際的な競争力を高める政策のことで、アメリカはこれが不公正な競争につながっていると主張しているのです。

また、発動済みの追加関税についても、中国は合意時に全ての追加関税を撤廃することを要求しているのに対し、アメリカ側は一部の関税を残したい意向であり、ここでも歩み寄りは見られません。交渉は、一時は「知的財産権保護」や「為替政策」など7項目で150ページにも及ぶ合意文書作成の段階まで進んでいましたが、5月に入って中国側が大幅な修正を要求したことで暗転し、協議は中断、米中は再び追加関税をかけあう貿易戦争(互いに関税を引き上げ合う経済紛争)へと突入した経緯があります。

この対立激化の例として、アメリカは中国の通信機器大手である**華為技術(ファーウェイ)への輸出禁止措置を発動し、対する中国も戦略物資である希土類(レアアース)**の輸出規制を示唆するなど、貿易問題を超えたハイテク覇権争いの様相を呈しています。中国の交渉団を率いた劉鶴副首相が、5月の閣僚協議の後に「自分にできることはこれ以上ない」と漏らしたとされる状況からも、閣僚レベルでの合意形成が限界に達していることが伺えるでしょう。この難局を打開するには、トランプ大統領と習主席、二人の「トップダウン」の決断が必要不可欠なのですが、両国とも先の道筋を明確に描けているわけではないというのが実情なのです。

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