警備業界の雄として知られる綜合警備保障(ALSOK)が、今まさに介護事業へ情熱を注いでいます。長年培ってきた「守り」の技術に加え、現在は高齢者が心身ともに健やかに過ごすための運動プログラムにも注力しているのです。2019年11月6日、東京・荒川にあるグループホーム「みんなの家・西尾久」では、独自の「ALSOKあんしんヨガ」が披露されました。SNS上でも「警備会社がヨガ?」と驚きの声が上がる一方で、その実用的なアプローチに高い関心が寄せられています。
このプログラムの最大の特徴は、足腰に不安がある方でも椅子に座ったまま無理なく参加できる点にあります。全8種類のメニューを数回ずつ繰り返す構成で、特に「あんしんアッハッハ呼吸」と呼ばれる笑いを取り入れた呼吸法は圧巻です。施設内は瞬く間に明るい笑い声に包まれ、参加者の表情がみるみる華やいでいく様子が印象的でした。毎日継続することで、自律神経の調整や肩こりの緩和といった具体的な健康増進効果が期待されているのです。
現場の職員からも、入居者の方が車椅子生活から自力で歩行できるまで回復したという驚きの事例が報告されています。ヨガのプロが監修し、ALSOKの社員が現場での運用を通じてブラッシュアップを重ねる体制は、非常に理にかなっていると感じます。単なるレクリエーションの枠を超え、身体機能の維持・向上を目指す「機能訓練」としての質を追求する姿勢こそが、今の介護現場に最も求められている要素ではないでしょうか。
警備とスポーツの知見を融合!ALSOKが描く次世代介護の形
ALSOKが2012年に介護事業へ参入した背景には、ホームセキュリティを利用する家庭での介護ニーズの高まりがありました。M&Aを戦略的に進めた結果、2019年3月期の売上高は265億円に達し、利用者数も1万6千人を超える過去最高を記録しています。同社には日本代表クラスのレスリング選手が多数在籍しており、スポーツ分野での高い知名度とノウハウが、こうした運動プログラムの信頼性を裏支えしているのは間違いありません。
深刻な介護人材不足への対策も抜かりありません。厚生労働省が予測する将来の人手不足を見据え、ALSOKでは外国人材の活用や、定年退職後のシニア世代が働きやすい環境整備を急いでいます。特に、警備業務で培った知見を持つOBを介護現場へ配置する試みは、施設の安全性を飛躍的に高めるでしょう。介護と警備という一見異なる分野を「安心」というキーワードで融合させる手法は、業界に新しい風を吹き込んでいます。
私は、こうした企業の垣根を越えた挑戦が日本の超高齢社会を救う鍵になると確信しています。単に「預かる」場所から、ヨガを通じて「元気になる」場所へと介護施設をアップデートするALSOKの試みは、入居者本人だけでなく、その家族にとっても大きな希望となるはずです。今後は蓄積されたデータの分析により、運動の効果が科学的に証明されることで、より質の高いケアが標準化されていくことを期待して止みません。
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