中部5県の貿易黒字が14.4%増!2019年10月の最新統計から読み解く地域経済の底力と世界情勢の影

2019年11月21日、名古屋税関が発表した中部5県(長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)の10月分貿易概況速報は、多くの経済ファンに驚きを与えました。輸出から輸入を差し引いた、いわゆる「貿易収支」の黒字額が、前年同月と比較して14.4%増の8388億円に到達したのです。実に2カ月ぶりの増加に転じており、この地域の経済的な粘り強さが改めて浮き彫りになりました。

今回の黒字拡大の最大の要因は、エネルギーコストの低下による輸入額の大幅な減少にあります。原油や液化天然ガス(LNG)といった資源価格が下落したことで、輸入額は18.1%減の7820億円となり、5カ月連続でマイナスを記録しました。貿易黒字と聞くと「売る力が伸びた」と思われがちですが、今回は「買う金額が抑えられた」ことが収支を押し上げた格好です。

一方で、私たちの生活にも直結する輸出面には少し不透明な影が差しています。10月の輸出額は1兆6208億円と前年より4.0%減少しており、3カ月連続で前年実績を下回る結果となりました。SNS上では「世界的な景気後退の足音が聞こえる」「製造業の街である中部の底力が試されている」といった、不安と期待が入り混じった声が数多く上がっています。

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中国経済の減速がもたらす製造業への影響とは

輸出不振の背景には、隣国である中国の経済成長にブレーキがかかっている現状が見て取れます。特に中部地方の得意分野である自動車部品や、半導体等製造装置といったハイテク分野の輸出が大きく落ち込みました。ここで言う「半導体等製造装置」とは、スマートフォンやPCの心臓部を作るための専用マシンのことで、世界的なデジタル需要の調整局面が色濃く反映されています。

編集部としての視点を述べれば、今回の貿易収支の黒字拡大は、決して手放しで喜べる「攻めの結果」ではないと感じます。資源価格の変動という外部要因に助けられた側面が強く、主力製品の輸出減は地域経済の体力を削りかねません。しかし、こうした厳しい局面こそ、中部が誇る技術革新が新たな市場を切り拓くチャンスに変わるはずだと、私は強く信じています。

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