2019年11月29日、電力業界に新しい風を吹き込むスタートアップ企業、エナーバンクが驚きの新事業を発表しました。彼らが手掛けるのは、太陽光発電によって生まれた二酸化炭素(CO2)の排出削減効果を「環境価値」として売買する仲介ビジネスです。12月から太陽光パネル販売大手の「エクソル」とタッグを組み、企業のコスト削減と環境貢献を同時に叶える画期的な仕組みをスタートさせます。
このニュースを受けてSNSでは、「これからは電気を作るだけでなく、その価値を売る時代か」「自家消費しながら副収入が得られるのは魅力的だ」といった驚きと期待の声が広がっています。これまで単なるエコ活動として捉えられがちだった太陽光発電が、企業の収益性を高める「戦略的な武器」へと進化しようとしているのです。
「環境価値」を証書化して取引する最先端の仕組み
そもそも「環境価値」とは、再生可能エネルギーによって発電された電気が持つ「CO2を排出しない」という付加価値のことです。この価値を「証書」という形にすることで、直接その電気を使っていない企業でも、購入することで自社のCO2排出量を削減したとみなすことができます。今回の取り組みでは、まずエクソルが企業の工場やオフィスに自家消費用の太陽光パネルを設置することから始まります。
そこで発電されたクリーンな電気が消費される際、エナーバンクがその削減効果を証書化して、環境配慮をアピールしたい別の企業に販売するわけです。売却益を得られる設置企業と、環境経営を加速させたい購入企業、そしてその仲介を行うエナーバンク。三者がそれぞれのメリットを最大化できる、非常によく練られたビジネスモデルといえるでしょう。
年間100万円超の収益も?ESG投資が加速させる需要
私は、この事業が「固定価格買い取り制度(FIT)」に頼らない自立したエネルギー社会のモデルケースになると確信しています。FITによる売電価格が下落し続ける中、これからは「自分で作って自分で使う」自家消費が主流になります。エナーバンクの試算によれば、発電条件次第では環境価値の売却により、年間で約22万円から最大103万円程度の収入を得られる可能性があるというから驚きです。
背景には、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を重視する「ESG投資」の急拡大があります。事業電力を100%再生エネで賄うことを目指す国際的な企業連合「RE100」への加盟企業が増える中、証書への需要は今後ますます高まっていくでしょう。2019年11月29日現在の視点で見れば、これは単なる流行ではなく、企業の生き残りをかけた不可避なトレンドなのです。
電力の地産地消と「環境価値」が切り拓く日本の未来
エナーバンクは2018年7月に設立されたばかりの若い企業ですが、既存の電力コスト削減支援に加え、この環境価値取引を新たな収益の柱に据えようとしています。販売を担うエクソルにとっても、この仕組みは競合他社に対する強力なアドバンテージとなるはずです。太陽光発電を導入することが、電気代を浮かすだけでなく「利益を生む資産」に変わる瞬間を私たちは目撃しています。
制度の過渡期にある今、こうした民間主導の柔軟なサービスが登場することは、日本の脱炭素化を加速させる上で極めて重要です。自社の屋根で電気を作り、そのクリーンな証しを市場へ還元する。そんな「エネルギーの地産地消」と「価値の循環」が当たり前になる未来は、すぐそこまで来ています。2019年の年末を迎え、日本のエネルギービジネスは大きな転換点を迎えたといえるでしょう。
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