共犯者と「着る喜び」を創造!オールユアーズが仕掛ける未来の服作りと異能マーケティング

2019年6月12日付で大きな注目を集めているのが、アパレルベンチャーのオールユアーズ(本社:東京・世田谷)が展開する革新的な商品開発のスタイルです。彼らが手掛けるのは、例えば「色落ちしないパンツ」や「汗をかいてもシミにならないシャツ」といった、消費者の日常の不満を解消する高い機能性を備えた衣類ばかりです。こうした商品を、クラウドファンディング(CF)という手法で次々と成功させており、その背景にある「埋もれた技術を現代のニーズに合わせて刷新する異能マーケティング」に、業界内外から感嘆の声が上がっています。

オールユアーズの代表的なヒット商品である機能性パンツ「FAST PASS」の生地を提供する丸井織物(石川県中能登町)の宮本淳二さんは、従来の製品開発を振り返り、「これまでは技術を詰め込みすぎて『機能押し』になりがちでしたが、その余分な部分が逆に消費者には伝わりにくかった」と述べており、同社の製品化の手法に驚きを隠せない様子です。彼らの取り組みは、単に高機能な素材を使うだけではなく、その技術を「いかに着る人の喜びにつなげるか」という視点に立っている点が非常に画期的であると言えるでしょう。

もう一つの成功例として挙げられるのが、滋賀県の高島地域に古くから伝わる伝統的な織物である「高島ちぢみ」を現代風にアレンジしたTシャツ「KITE TECO」です。この生地は、高い吸汗性と肌にまとわりつかないさらりとした着心地が特徴で、夏場の衣料として最適とされています。オールユアーズは、この優れた機能性に注目しつつ、生地の見た目を現代のファッションに合うよう改良しました。その結果、1枚5,110円からという価格帯にもかかわらず、クラウドファンディングではなんと244万円もの支援を集める大成功を収めています。

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共犯者と創る「完成度7割」からの商品開発

「KITE TECO」の生地生産に携わった杉岡織布(滋賀県高島市)の杉岡定弘さんも、「今までにないものが生まれた。メーカー単独では成し遂げられないことをオールユアーズは実現している」と、その創造性と推進力に大きな期待を寄せているようです。私の考えでは、オールユアーズの最も成功している点は、彼らが「メーカー」と「消費者」の関係性を根底から変えている点にあります。彼らは、消費者を単なる購入者ではなく、製品を共につくり上げる「共犯者」と位置づけているのです。

同社の木村さんによると、製品開発は「完成度が7割程度の状態でプロジェクトを立ち上げ、実際に服を着る人々の意見を積極的に取り入れる」というプロセスで行われます。クラウドファンディングの実施期間中、ウェブサイトやSNSを通じて開発の進捗状況をこまめに報告し、共犯者である支援者たちと密度の濃いコミュニケーションを図っていくのです。このアプローチは、製品に対する愛着を深め、ファンの熱量を最大化する極めて効果的な手法であると私は確信しています。

その熱量の高さを象徴するエピソードがあります。静岡県富士宮市に住む会社員の渡辺良介さん(22歳)は、同社のパンツ商品「パンジー」を購入後、「同じ素材で上着があればいいのに」という要望をコメントとして寄せたそうです。すると、その要望はなんと約1年後にはクラウドファンディングによる商品化として現実のものとなりました。渡辺さんはこの経験について、「自分も一緒につくっている感覚に近い」と語っています。このように、使い手の生の声が直接商品開発に反映される仕組みこそが、オールユアーズのファンベースを強固にし、次世代のアパレル産業のあり方を示していると言えるでしょう。

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