【名演復活】87歳の巨匠アチューカロが刻む「スペインの魂」!ギターを彷彿とさせる情熱のピアノ名作集

2019年11月10日現在、クラシック音楽界で最高齢の現役ピアニストの一人として、今なお瑞々しい感性を放ち続けるホアキン・アチューカロ氏。彼が最も血気盛んだった1970年代の貴重な音源が、ついにCDとして蘇りました。スペイン音楽の神髄を捉えたこの「スペイン音楽名演集」は、歴史的な価値だけでなく、現代の聴衆の心をも揺さぶる圧倒的な生命力に満ち溢れています。

SNS上では「87歳で現役というだけでも驚きなのに、若き日の音色がこれほど鮮烈だとは」「まるでピアノが歌い、ギターが鳴っているようだ」といった、時代を超えた名演への感嘆の声が広がっています。収録されているのは、グラナドスやアルベニス、そしてファリャといった、19世紀末から20世紀にかけて活躍した「近代スペイン音楽」を代表する作曲家たちの傑作群です。

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ピアノで奏でる「ギターのキレ」と「バスクの色彩」

アチューカロ氏の演奏を紐解くキーワードは、スペインの乾いた太陽を思わせる「クリアな音色」と、そこに同居する「特有の湿度」でしょう。彼の指先から放たれる音粒は、ピアノでありながらスペインの民族楽器であるギターの鋭い撥弦(はつげん)を彷彿とさせます。一方で、バスク地方の血を引く彼ならではの温かみが、旋律にえもいわれぬ甘美なニュアンスを付け加えています。

特筆すべきは、ファリャ作曲の「アンダルシア幻想曲」です。ここでは、伝統を重んじつつも新しい表現を追求した「モダニズム」の精神と、アチューカロ氏が持つ独自の色彩感覚が見事な融合を見せています。モダニズムとは、古い因習を打ち破り、現代的な感性を取り入れようとする芸術運動のことですが、彼の演奏はまさにその先駆的な響きを現代に伝えてくれるでしょう。

編集者としての私見ですが、アチューカロ氏の演奏を聴いていると、音楽とは単なる音の羅列ではなく、その土地の風土や歴史が凝縮された「物語」なのだと再認識させられます。87歳という高齢になっても活動を続けられるのは、こうした内なる情熱が枯れることなく燃え続けているからに他なりません。彼の「今」を知るためにも、この原点ともいえる70年代の録音に触れる意義は大きいと言えます。

2019年11月10日の穏やかな秋のひとときに、アチューカロ氏が紡ぐ情熱的なスペインの調べは、私たちの日常に異国情緒豊かな彩りを与えてくれるはずです。デジタル技術で磨き上げられた巨匠の若き日の咆哮を、ぜひその耳で確かめてみてください。

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