【建築家・中村好文の新著】家は「着こなす」もの?アーティストの豊かな日常から学ぶ理想の住まい

2019年11月10日、住まいへの価値観を優しく解きほぐしてくれる一冊が注目を集めています。人気建築家の中村好文氏が手掛けた新著『芸術家のすまいぶり』は、単なる住宅の紹介本ではありません。リュート奏者のつのだたかし氏や、世界的なイラストレーターである葵・フーバー氏といった、独自の美意識を持つアーティストたちが、どのように家という空間を愛し、日々を営んでいるかを丁寧に描いたエッセー集です。

SNS上では「家を整える勇気が湧いてきた」「完成した時がゴールじゃないんだと気づかされた」といった、共感と驚きの声が広がっています。中村氏は、建物とは住む人の暮らしを受け止めるための「容器」に過ぎないと語ります。大切なのは、設計者が込めた意図を軽やかに超えて、住み手が自分の手足のように家を使いこなす「着こなし」のセンスであるという考え方は、私たちの住居に対する固定観念を心地よく覆してくれるでしょう。

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設計図には描けない「住み手」が創り出す美しさ

本書が説く「着こなし」という表現は、服を選ぶように住空間を自分流にアレンジすることを意味しています。建築家が完璧な形を提供しても、そこに住む人が自分なりの工夫を加え、使い勝手を追求していくことで、初めて家には生命が宿ります。中村氏の柔らかな語り口は、家と人との間に存在する「柔軟な関係性」の尊さを、読者の心に静かに染み込ませてくれるに違いありません。

編集者としての私見ですが、今の時代は効率やスペックばかりが重視されがちです。しかし、この本に登場する芸術家たちの暮らしを見れば、不便ささえも愛着に変えてしまう創造的な姿勢こそが、真の豊かさなのだと確信させられます。一見すると無駄に思える空間や、古びた家具との付き合い方の中にこそ、住む人の人柄や物語が滲み出るのではないでしょうか。

LIXIL出版から2400円で刊行された本作は、2019年11月10日の今日、家づくりを考えている方だけでなく、日々の暮らしに物足りなさを感じているすべての人にとっての「心の処方箋」となるはずです。ページをめくるたびに、自分の家をもう一度見つめ直し、自分らしく「着こなして」みたくなる。そんな魔法のような魅力に満ちた、美しきエッセーの世界にぜひ触れてみてください。

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