日本の医療技術が世界を席巻しています。心臓や血管の治療に欠かせない医療器具メーカー、朝日インテックが2019年11月14日に発表した最新決算は、まさに快進撃と呼ぶにふさわしい内容でした。2019年7月1日から2019年9月30日までの期間において、同社の経常利益は前年同期を2%上回る49億円に達し、この四半期としては過去最高の記録を塗り替えたのです。
今回の好業績を牽引したのは、同社の代名詞ともいえる「カテーテル」と「ガイドワイヤ」の爆発的な普及にあります。カテーテルとは、血管などの管の中に挿入して診断や治療を行う非常に細い管のことです。特に中国市場では、体を大きく切らずに治療を行う低侵襲(ていしんしゅう)なカテーテル治療が急速に浸透しており、同社の高精度な製品に対する需要がかつてないほど高まっています。
SNS上でもこの勢いは話題となっており、「日本の職人技が世界の命を救っている」「成長スピードが凄まじい」といった期待の声が数多く寄せられました。売上高も前年同期比で13%増となる155億円を記録し、こちらも過去最高を更新しています。研究開発や米国での販売体制強化に向けた投資を積極的に行いながらも、それを補って余りある成長を見せている点は、投資家からも高く評価されているポイントでしょう。
世界戦略の鍵を握る米国直販化と未来への展望
特筆すべきは、巨大市場である米国での戦略変更です。これまでの代理店を介した販売から、自社で直接顧客へアプローチする「直販体制」へと舵を切ったことが功を奏しました。中間コストを抑えつつ現場のニーズを素早く製品に反映させるこの決断により、同社は着実にシェアを拡大しています。こうした攻めの姿勢こそが、グローバル企業としての強固な地位を築く原動力となっているのは間違いありません。
一方で、2020年6月期通期の純利益に関しては、前年の企業買収に伴う特別な利益の反動で一時的に減少していますが、本業の儲けを示す営業・経常利益の勢いは衰えていません。通期の業績予想は売上高638億円、経常利益153億円と据え置かれましたが、第1四半期ですでに利益進捗率が3割を超えている事実は、同社の底力を物語っています。国内の不透明感を吹き飛ばすほどの、さらなる飛躍が期待できそうです。
個人的な視点として、朝日インテックの強みは「技術への妥協なきこだわり」にあると感じます。単なる工業製品ではなく、医師の手の延長として機能するデバイスを作り続ける姿勢が、世界中の医療現場で信頼を勝ち取っているのでしょう。デジタル化が進む現代だからこそ、こうしたアナログな極小加工技術の価値はさらに高まっていくはずです。今後も、日本が誇るこの「命を支える技術」から目が離せません。
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