ビジネスの場において、第一印象を決定づける「笑顔」は非常に重要なスキルの一つと言えるでしょう。2019年11月15日、人材派遣大手のリクルートスタッフィングは、派遣スタッフの研修をより充実させるため、人工知能(AI)が個人の表情を分析して磨き上げるという画期的なトレーニングシステムを導入しました。
このシステムには、感情認識の分野で世界をリードするアメリカのスタートアップ企業、アフェクティバ社の最先端AI技術が惜しみなく投入されています。同社とシステム開発を手掛けるシーエーシーが共同で、既存のアプリをベースに「笑顔の質を向上させること」へ特化させたカスタマイズを施したのです。
具体的な仕組みとしては、パソコンの内蔵カメラを通じて映し出されるユーザーの顔を、AIがリアルタイムで細かく解析していく流れとなります。ここで用いられる「感情認識AI」とは、目元や口の動き、眉の角度といった顔の特徴点をデジタル化し、それらがどのような感情を示しているかを瞬時に識別する高度なテクノロジーを指します。
トレーニングは主に「練習」と「採点」という2つのステップで構成されており、非常に実践的です。まず練習モードでは、笑顔や真剣な表情といった4つの分類に加え、怒りや喜び、嫌悪などの7種類の感情をグラフで可視化してくれます。自分の内面と外見のギャップを客観的なデータとして確認できるのは、大きな魅力ではないでしょうか。
さらに、この練習モードには「好感度の高い笑顔を5秒間キープする」というユニークな課題も用意されています。一瞬の笑顔は作れても、自然な明るさを維持するのは意外と難しいものです。こうした地道な反復練習を通じて、対面でのコミュニケーション能力を根本から底上げすることが可能になるでしょう。
客観的なAI採点が導く「好印象」の秘訣
もう一つの柱である採点モードでは、実際に画面に向かって話している最中の表情をAIが評価してくれます。人による主観的な判断ではなく、膨大なデータに基づいたAIによる公平なスコアリングが行われるため、納得感を持って自分自身の課題と向き合うことができるはずです。
また、自分が話している姿を動画で振り返る機能も搭載されており、無意識に出てしまう癖などをチェックできる点も心強いですね。SNS上では「自分の笑顔をAIに判定されるのは少し緊張するけれど、客観的なアドバイスは自信につながりそう」といった期待の声も上がっており、技術への注目度の高さが伺えます。
編集者の視点から言えば、これまで「個人のセンス」に委ねられていた表情作りを、テクノロジーの力で「習得可能なスキル」へと変換した意義は極めて大きいと感じます。笑顔は周囲を明るくするだけでなく、働く本人にとっての自信という最高の武器にもなるでしょう。AIを味方につけた新しい自分磨きが、ここから始まります。
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