東芝子会社の架空取引にネットワンなど上場2社も関与!SNSで炎上する「循環取引」の闇とIT業界が抱える構造的課題に迫る

IT業界を大きく揺るがす衝撃的なニュースが飛び込んできました。東芝の連結子会社である「東芝ITサービス」で発覚した架空取引をめぐり、東証1部上場の大手システム開発企業である「ネットワンシステムズ」と「日鉄ソリューションズ」の2社も関与していたことが2020年1月22日、複数の関係者への取材で明らかになりました。信じがたいことに、この3社以外にも複数の企業がこの不適切な商流に巻き込まれている可能性が浮上しています。

ネット上のSNSでは「また東芝グループで不正会計まがいの事態か」「上場企業がこぞって何をやっているんだ」といった怒りや呆れの声が続出しています。今回の問題の本質は、製品やサービスのやり取りが実態としては存在しないにもかかわらず、帳簿や伝票の上だけで資金をぐるぐると回して売上を偽装する「循環取引」が行われていたという点にあります。この古典的とも言える不正の手口が、現代の最先端IT企業間で白日の下にさらされたのです。

ここで専門用語について少し解説しておきましょう。今回のキーワードである「循環取引」とは、複数の企業が結託して商品の売買を順繰りに行い、架空の売上高を膨らませる不正会計の手法です。今回のケースでは、ネットワンシステムズから東芝ITサービスが機器を購入し、それをさらに日鉄ソリューションズなどへ転売したような形をとっていました。しかし驚くべきことに、実際の機器が発送された形跡はどこにも残されていなかったと報じられています。

こうした事態を受け、関係各社は対応に追われています。ネットワンシステムズと日鉄ソリューションズは、いずれも2019年12月13日に国税庁から「納品の事実が確認できない取引がある」との重大な指摘を受けました。これを受けて両社は、弁護士などの外部専門家で構成される第三者の特別調査委員会を設置し、真相究明へと乗り出しています。決算発表のスケジュールにも大幅な遅れが生じるなど、市場への影響は避けられない見通しです。

日鉄ソリューションズは未定としていた2019年4月から12月期の決算発表を2020年2月6日に行うと決め、ネットワンシステムズも当初2020年1月30日に予定していた同決算発表を2020年2月13日へと延期しました。一方の東芝は、2020年1月18日に2019年4月から9月期の売上高において約200億円規模の架空取引があったと公表しており、2020年2月14日の決算公表までに詳細を反映させる意向を示しています。

東芝側は子会社が主体的に関与した証拠は検出されていないと説明していますが、筆者はこの問題がIT業界の根深い構造を映し出していると感じます。形のないサービスや複雑なIT機器の取引は不透明になりがちであり、売上至上主義が生んだ歪みと言わざるを得ません。上場企業としての社会的責任を果たすためにも、各社には徹底した原因究明と、小手先の売上確保に頼らない誠実な企業ガバナンスの再構築を強く求めたいところです。

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