スイス東部で2020年1月21日に開幕した世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」は、初日から激しい緊張感に包まれています。世界中の政財界トップが集まるこの華やかな舞台で、主役級の存在感を放っているのがスウェーデンの若き環境活動家、グレタ・トゥンベリさんです。彼女は「現在の地球環境へのアプローチは、深刻なほどに足りていない」と強く主張し、集まった指導者たちへ具体的なアクションを起こすよう、鋭く迫りました。
前日まで高熱を出していたため、記者会見を見送るほどの体調だったグレタさんですが、この日はそんな不安を微塵も感じさせないバイタリティを披露しています。討論会でパネリストを立派に務め上げたかと思えば、別のセクションへ足を運び、壇上から力強いメッセージを発信するなど、会場内を精力的に駆け回る姿が印象的でした。彼女の不屈の闘志と行動力には、SNS上でも「体調不良を吹き飛ばすほどの危機感が伝わってくる」と、驚きと称賛の声が相次いでいます。
「私たちの家は、今もなお激しく燃え盛っている」。グレタさんは演説の中で、前回の同会議でも用いた、地球の危機的状況を象徴するフレーズを再び響かせました。気候変動への取り組みは、実質的にほとんど前進していないというのが彼女の見立てです。温室効果ガスの排出量を実質ゼロに抑え込む「ネットゼロエミッション」を謳う国家や組織が増加している現状についても、数字のトリックで大衆を欺いているに過ぎないと、辛辣な言葉で切り捨てました。
ここで言う「ネットゼロエミッション」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林などによる吸収量を差し引いて、トータルでゼロにするという考え方です。言葉の響きは美しいものの、排出そのものを大幅に削減しなければ、根本的な解決には至りません。見せかけの数値目標だけで満足している大人たちの欺瞞を、17歳の少女が容赦なく見抜いた瞬間であり、ネット上では「本質を突きすぎている」「言葉の重みが違う」といった熱い共感が渦巻いています。
さらに注目を集めたのは、アメリカのトランプ大統領との事実上の直接対決でした。グレタさんも傍聴した演説の中で、トランプ大統領は自国の素晴らしい経済成長を誇示し、会議が提案する大規模な植林プロジェクトへの協力を宣言したのです。その上で「今はネガティブになるのではなく、未来へ向けて楽観主義を貫くべき局面だ」と語り、環境危機を過度に恐れる風潮に冷や水を浴びせました。好景気に沸く大国リーダーらしい、自信に満ちた発言でしょう。
しかし、グレタさんはこの楽観論に対して、即座に釘を刺すことを忘れませんでした。彼女は自身のスピーチで、木を植える試み自体は素晴らしいと認めつつも、それだけで現状の危機を脱することは到底不可能だと一蹴したのです。森林が二酸化炭素を吸収するスピードよりも、人類が地球を破壊するスピードの方が遥かに速いのが現実です。植林という聞こえの良い免罪符を手に入れ、肝心の化石燃料依存から脱却しようとしない姿勢を、彼女は真っ向から拒絶しました。
私は、このグレタさんの毅然とした態度と主張に、全面的に同意いたします。経済の発展を優先するあまり、地球という取り返しのつかない土台を破壊してしまっては、明るい未来など訪れるはずがありません。トランプ大統領が語る楽観論は、目先の利益にしがみつく大人の都合の良い言い訳に見えてしまいます。若者たちがこれほどまでに未来を憂い、声を荒らげなければならない現状こそが、大人たちの怠慢を何よりも雄弁に物語っているのではないでしょうか。
政治家や大企業の経営者たちは、彼女の叫びをただのパフォーマンスとして聞き流すべきではありません。2020年1月21日というこの日は、小手先の数値合わせや、パフォーマンスとしての環境貢献が通用しなくなった歴史的な転換点となるでしょう。地球という私たちの唯一無二の住処を守るために、今すぐ痛みを伴う抜本的な変革へ踏み出すことが、現代を生きるリーダーたちに課せられた絶対的な義務なのです。
コメント