ダボス会議2020でも激論!「緑の資本市場」が企業に迫る、環境リスクと真の対話力とは?

2020年1月21日から、世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」が幕を開けます。これに先駆けて発表された2020年版の「グローバルリスク報告書」では、今後10年間に世界が直面する危機のトップ5を「異常気象」をはじめとする環境問題が独占しました。今や、環境への配慮が投資マネーの行方を左右する「緑の資本市場」が到来しており、企業にはこれまで以上に高度なコミュニケーション能力が求められているのです。

SNS上でもこの動きは大きな注目を集めており、「環境対策を怠る企業は市場から淘汰される時代が本当に来た」「投資家の目がここまで厳しくなるとは」といった、危機感や変化を実感する声が相次いでいます。世界最大の資産運用会社である米国のブラックロックは、各企業へ向けた年始の書簡の中で、低炭素社会の実現に向けた取り組みを急ぐよう強く促しました。

さらに同社は、自社で銘柄を選別して運用する「アクティブ運用」において、売上高の25%以上を一般炭の生産から得ている企業への投資を再検討する方針を打ち出しています。同社のアジア地区統括責任者であるジェラルディン・バッキンガム氏は、気候変動を重大な運用リスクと捉え、世界中で例外なくこの方針を適用すると明言しました。急成長の裏で大気汚染などに悩むアジアや日本企業にとって、この宣言は極めて重い意味を持ちます。

一方、米国の投資銀行であるゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)も、環境問題における金融機関の役割の重要性を唱えています。同社は、環境破壊を抑えつつ持続可能な社会を目指すための融資や投資を行う「サステナブル・ファイナンス」を、2030年までに7500億ドル規模で実行する計画です。米国の投資巨頭たちが環境重視で足並みを揃えた事実は、市場の未来を決定づけています。

ここで私たちは、企業が置かれた厳しい現実に目を向ける必要があります。例えば独シーメンスは、オーストラリアでの炭鉱開発事業に関わったことで、環境団体から激しい非難を浴びました。この問題の本質は、グローバル企業がより鋭敏な環境感覚を持つべきだということ、そして対話すべき相手が株主だけでなく、社会全体や時に過激なNGOにまで広がっているという点にあります。

単に利益だけを追求する近視眼的な経営は、もはや通用しません。これからの時代は、合理的な説明だけでは収まらない社会の感情に対しても、誠実に向き合う覚悟が求められます。日本企業は環境情報の開示に積極的だと言われますが、定型の枠に当てはめるだけの形式的な対応では、激変する「緑の資本主義」の波を乗り切ることは不可能です。企業の本質的な姿勢が、今まさに試されています。

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