若者の流行の発信地として知られる渋谷109が、デジタルとリアルを融合させた新たなエンターテインメントの形を提示しています。運営を担うSHIBUYA109エンタテイメントは、2019年11月15日までに、館内に動画配信専用のスタジオ施設「SHIBUYA109 LIVE TV ハチスタ」をオープンさせました。セガエンタテインメントや、10代から絶大な支持を得る「超十代」とタッグを組んだこの試みは、単なるスタジオの枠を超えた画期的な空間です。
SNS上では、早くも「憧れのインフルエンサーを間近で見られるなんて最高」「学校帰りに立ち寄れる新しい遊び場ができた」といった期待の声が溢れています。この施設が目指す大きな役割の一つが、ライブコマースの拠点化です。ライブコマースとは、動画の生配信を通じて視聴者とコミュニケーションを取りながら、リアルタイムで商品を紹介・販売する手法を指します。視聴者は画面越しに質問を投げかけ、納得した上でそのまま商品を購入できるのです。
ライブと買い物が融合する体験型スタジオの魅力
施設は物販が中心となっている8階に位置し、約198平方メートルの広さを誇ります。スタジオ内は着席で40人、立ち見を含めると合計で60人を収容できる設計となっており、臨場感あふれる観覧が可能です。さらに、タピオカ飲料専門店やグッズ売り場も併設されているため、来場者は飲食や買い物を楽しみながら番組収録の熱気を肌で感じられます。この「ついで買い」を誘発する仕掛けこそ、実店舗を持つ商業施設ならではの強みと言えるでしょう。
実際に「LINE LIVE」などのプラットフォームを活用して配信された番組では、視聴者数が想定を大きく上回る24万人に達するなど、その注目度の高さは証明済みです。スマホネイティブ世代にとって、動画配信は日常の一部であり、そこから生まれる購買意欲は計り知れません。109の木村知郎社長が語るように、館内の魅力をデジタル空間へ直接発信することで、店舗とオンラインの境界線はより曖昧になり、新しい消費の形が加速していくはずです。
編集者の視点から見ても、今回のハチスタ設立は非常に戦略的な一手だと感じます。ECサイトの普及により「店舗へ足を運ぶ理由」が問われる現代において、体験価値を提供することは不可欠です。インフルエンサーという強力なアイコンを軸に、ファンの熱量をそのまま館内の売上に転換する仕組みは、今後の小売業における標準的なモデルケースになるのではないでしょうか。渋谷の象徴である109が、再び時代の最先端を走り始めました。
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