深刻な人手不足を救う「特定技能」はなぜ停滞?外国人受け入れ制度の抜本的改善が日本の未来を左右する

2019年4月に鳴り物入りで導入された新たな在留資格「特定技能」ですが、その運用状況は芳しくありません。2019年11月15日時点での認定者数はわずか1024人にとどまっており、政府が2019年度中に見込んでいた最大4万7550人という目標の、わずか2%程度という厳しい現実に直面しています。本来であれば、即戦力となる外国人が現場を支えているはずでしたが、準備不足という大きな壁が立ちはだかっているのです。

SNS上でも「制度が複雑すぎて希望者が二の足を踏んでいる」「人手不足の現場が悲鳴を上げているのに、これでは意味がない」といった批判的な声が相次いでいます。特定技能とは、深刻な労働力不足を解消するために、一定の専門性や技能を持つ外国人に与えられる就労資格のことです。しかし、この制度が十分に機能していない最大の要因は、資格取得に不可欠な試験の実施体制が整っていないことにあります。

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複雑なルールが招く混乱と制度の限界

対象となる14分野のうち、産業機械製造や建設など6分野では、2019年11月26日現在も試験の準備が完了していません。また、海外からの受け入れに関しても、悪質な仲介業者である「ブローカー」を排除するための調整に時間がかかっている国も見受けられます。もちろん、不正を防ぐための慎重な手続きは不可欠ですが、スピード感を持って各国と連携を強化しなければ、日本は働く場所としての魅力を失ってしまうでしょう。

さらに深刻なのは、既存の「技能実習制度」との違いが分かりにくい点です。技能実習は本来、母国へ技術を伝える「国際貢献」を目的としており、原則として職場を変える「転籍」が認められていません。一方で特定技能は、同一分野内であれば転職が可能という柔軟な仕組みを持っています。現地フィリピンなどの希望者からは「ルールが複雑すぎて混乱する」という切実な声が上がっており、制度の不透明さが障壁となっています。

私は、長年問題視されてきた技能実習制度を早期に撤廃し、特定技能へ一本化すべきだと考えます。実習制度の裏側で起きている最低賃金割れや過酷な長時間労働といった人権問題は、日本の国際的な信頼を損なうばかりです。外国人を単なる「労働力」としてではなく、共に社会を作る「パートナー」として迎え入れる姿勢がなければ、優秀な人材は近隣の競合国へと流れていくに違いありません。

2019年11月26日の今こそ、日本は「選ばれる国」であり続けるための覚悟を問われています。EPA(経済連携協定)に基づく介護や看護の枠組みを含め、利用者の視点に立った分かりやすい制度設計が急務です。形だけの受け入れ策ではなく、彼らの生活やキャリアを真摯に支える体制を構築することが、結果として日本経済を救う唯一の道となるでしょう。

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