富士山の麓に位置する静岡の空の玄関口、静岡空港の最新の運営状況が明らかになりました。静岡県が2019年11月12日に発表した報告によると、2018年度の運営収支は5億7114万円の赤字を計上しています。これは前年度と比較して5.5%ほど赤字幅が拡大した形となり、2009年6月4日の華々しい開港以来、残念ながら10年連続で収支がマイナスという厳しい現実を突きつけられた格好です。
内訳を詳しく見ていくと、収入面では2017年度比で9.8%増の2億9116万円と健闘していることが分かります。これは、旅客ターミナルビルの増築や大規模な改修工事を行ったことにより、テナントなどから入る土地建物の使用料がアップしたことが大きな要因でしょう。一方で、それを上回る支出が経営を圧迫しました。航空灯火施設、いわゆる滑走路の安全を守るための照明設備の点検費や、保安維持に関わるコストが膨らんだ結果、支出総額は8億6231万円に達しています。
赤字続きでも悲観的ではない?地域を潤す370億円の経済効果
しかし、数字の表面だけを見て「失敗」と決めつけるのは早計かもしれません。県が併せて発表した2018年度の経済波及効果は、驚くべきことに370億円という試算が出ています。これは前年度から9.7%も増加しており、空港が存在することによって観光客が訪れ、県内にお金が落ちる仕組みが着実に強固なものになっている証拠です。単体の赤字を、地域全体の利益でカバーしているという、公的インフラとしての役割を十分に果たしている側面も見逃せません。
SNS上では「これだけの赤字を税金で補填し続けるのはどうなのか」という厳しい意見が散見される一方で、「静岡観光には欠かせない拠点」「これからの民営化に期待したい」といったポジティブな応援メッセージも多く寄せられています。実は、これまでは県の一般財源、つまり皆様の税金でこの赤字を埋めてきましたが、2019年度からは本格的な民営化へと舵を切っています。これにより、一部を除いて公費による補填が不要になるという、大きな転換点を迎えているのです。
個人的な見解としては、ここまでの10年間は「種まき」の期間だったと捉えています。民間の柔軟な発想が加わることで、空港は単なる移動拠点から、より魅力的なエンターテインメント空間へと進化するはずです。収支の健全化と地域経済の活性化、この両輪がうまく回り出す未来は、すぐそこまで来ているのではないでしょうか。富士山静岡空港が、真の意味で「県民の誇り」となる第二章の幕開けに、今から目が離せません。
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