【素材業界に激震】2019年9月の伸銅品生産が10カ月連続減少!米中貿易摩擦が及ぼす製造業への深刻な影

日本のものづくりを支える基礎素材に、深刻な停滞の波が押し寄せています。日本伸銅協会が発表した最新データによると、2019年09月の伸銅品生産量は6万1930トンに留まり、前年の同じ時期と比較して8.0%もの大幅な落ち込みを記録しました。このマイナス成長は10カ月という長期間にわたって続いており、素材メーカーにとっては非常に厳しい冬の時代が到来しているといえるでしょう。

そもそも「伸銅品(しんどうひん)」とは、銅や銅合金を熱したり圧力をかけたりして、板や棒、管などの形状に加工した製品の総称です。これらはスマートフォンの部品から自動車の電装系、家電製品に至るまで、私たちの生活に欠かせないあらゆる精密機器に使用されています。そのため、この生産量が減るということは、世界的な製品需要そのものが冷え込んでいるという、不穏な経済のバロメーターとして機能しているのです。

こうした不調の最大の引き金となっているのが、長期化する米中貿易摩擦に他なりません。世界経済を牽引する二大国の対立により、製造業全体のサプライチェーンが目に見えて減速しています。SNS上でも「これほどまでに自動車や家電の動きが鈍いとは」「製造現場の冷え込みが数字に表れてきた」といった、先行きを不安視する声が相次いでおり、現場の危機感はかつてないほど高まっている様子がうかがえます。

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主要品目の苦戦と建設素材に見る一縷の望み

内訳を詳しく見ていくと、主要な品目のほとんどが苦戦を強いられています。電子部品に多用される銅条や黄銅条は8カ月連続の減少となり、さらに青銅板条に至っては14カ月連続で前年実績を下回るという異常事態です。編集者としての私見ですが、この数字は単なる一時的な在庫調整の範疇を超えており、製造業全体の構造的な変化や需要の減退が、より深い部分で進行しているのではないかと危惧せざるを得ません。

その一方で、建設関連の素材データにはわずかながらの変化も確認できます。2019年09月のセメント国内販売量は、前年同月比で4.0%の増加を見せており、紙・板紙の出荷量も0.2%と微増ながらプラスを維持しました。製造業が貿易問題に振り回される一方で、国内のインフラ整備や建設需要が下支えとなっている構図が浮かび上がります。とはいえ、基幹素材である伸銅品の失速をカバーするには至っていないのが現状です。

今後、この停滞を打破するためには、従来の輸出依存モデルからの脱却や、次世代通信規格である5G関連といった新しい成長分野への迅速なシフトが求められるでしょう。素材業界が再び活気を取り戻すには、世界情勢の安定とともに、技術革新に裏打ちされた新たな需要の創出が不可欠です。2019年11月現在、私たちはまさに日本の製造業が真の底力を試される、重要な分岐点に立ち会っているのではないでしょうか。

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