日産自動車が2019年11月12日に発表した2019年4月から9月期の連結決算は、純利益が前年同期と比べて73%も減少する653億円という、非常に厳しい数字となりました。この衝撃的な結果を受け、SNS上では「かつての技術の日産に戻れるのか」「ブランド力の低下が心配だ」といった、ファンや投資家からの切実な声が数多く飛び交っています。まさに同社は今、歴史的な分岐点に立たされていると言えるでしょう。
同日に横浜市内で開かれた記者会見には、2019年12月1日付で最高財務責任者(CFO)への就任を控えたスティーブン・マー常務執行役員が登壇しました。CFOとは、企業の財務戦略を統括する「金庫番」であり、経営の舵取り役を担う極めて重要なポストです。マー氏は、現状の業績について厳しい認識を示しながらも、経営の改善に向けた取り組みは着実に、そして順調に進んでいることを力強くアピールしました。
米国市場の「質の向上」が再建の鍵を握る
今回の改革において最大の焦点となっているのが、主力である米国市場の立て直しです。日産はこれまで、値引きの原資となる「販売奨励金(インセンティブ)」を多用して販売台数を積み上げる戦略を採ってきました。しかし、これはブランド価値を損なう諸刃の剣でもあります。マー氏は「市場占有率や台数のみを追い求めることはしない」と明言し、1台あたりの利益率を重視する「販売の質の向上」へ舵を切る方針を示しました。
具体的な戦略として、2019年度の米国販売見通しを131万台へと微修正し、持続可能な成長を目指す姿勢を鮮明にしています。新型「セントラ」などの魅力的な新型車を順次投入することで、過度な値引きに頼らない健全な販売体制を構築する考えです。SNSでは「安売りイメージからの脱却は正しい判断だ」と支持する意見がある一方で、「競合他社がひしめく中で、純粋に商品力だけで勝負できるのか」という期待と不安が入り混じっています。
新体制での事業改革と国内需要の行方
2019年7月に発表された1万2500人規模の人員削減や商品ラインアップの整理についても、大きな関心が寄せられています。マー氏は、これらの事業改革の進捗について「計画通りに進んでいる」と述べるにとどめましたが、2019年12月に就任する新CEOによる情報のアップデートに含みを持たせました。組織の若返りとスリム化を同時に進めるこの決断が、日産の筋肉質な体質改善につながることを切に願わずにはいられません。
一方で、国内市場に目を向けると、2019年10月の消費税率引き上げによる影響が懸念材料となっています。実際に10月の新車需要は落ち込みを見せていますが、同時期に発生した台風による集客への悪影響も無視できません。増税による買い控えなのか、一時的な自然災害の余波なのか、日産は現在その要因を精査しています。企業が再び輝きを取り戻すためには、不透明な外部環境を跳ね返すほどの革新的な技術力が不可欠でしょう。
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