2019年11月13日、世間に大きな衝撃を与えた池袋の暴走事故について、驚くべき新事実が明らかになりました。事故車両は縁石に接触した直後、わずか120メートルの間で時速90キロを超える猛烈な加速を見せていたのです。この制御不能なスピードが、どれほど凄惨な事態を招いたかは想像に難くありません。
SNS上では「一瞬のミスが人生を壊す」「他人事ではない」といった悲痛な声や、高齢ドライバーの運転に対する不安が渦巻いています。警察庁のまとめによれば、2019年1月から6月までの半年間で、75歳以上の高齢運転者が引き起こした死亡事故は149件にのぼり、そのうち17件がペダルの踏み間違いによるものでした。
2016年に東京都立川市の病院で起きた事故など、踏み間違いは尊い命を奪う凶器へと変貌します。私は、こうした悲劇を繰り返さないために、個人の注意義務だけに頼るのではなく、テクノロジーによる「物理的な介入」が不可欠であると強く感じています。誰しもが加齢による判断力の衰えからは逃れられないからです。
命を守る「後付け安全装置」の普及と自治体の強力なバックアップ
現在、政府や自動車メーカーは安全装置の普及を急ピッチで進めています。トヨタ自動車は2018年12月5日から、障害物を検知して急発進を抑制する「ペダル踏み間違い加速抑制システム」の後付け販売を開始しました。新車への買い替えを待たずとも、今の愛車に最新の守りを備えられるのは画期的な取り組みでしょう。
国土交通省も2019年10月から、これらの後付け装置に対する性能評価を開始しました。基準をクリアした信頼性の高い装置は、同年12月にも公表される予定です。また、東京都では2019年7月末から購入費用の補助を開始し、わずか2ヶ月で約3000台分もの支給が決定するなど、社会的な関心の高さが伺えます。
さらに警察庁は、2021年度の創設を目指して「サポカー限定免許」の制度設計を進めています。これは、自動ブレーキなどの安全運転支援機能を搭載した車両のみ運転を認める仕組みです。私は、この限定免許こそが、高齢者の移動の自由と交通安全を両立させる現実的な解になると信じています。
山梨大学の伊藤安海教授は、加齢により予想外の事態への即応が難しくなる点を指摘しています。踏み間違いを「個人の資質」ではなく「身体機能の変化」として捉えるべきでしょう。デバイスによる補助だけでなく、教習所での再講習など、自らの現在地を客観的に把握する仕組み作りが急がれます。
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