日本のモバイル業界に激震が走るような、極めて重要な動きがありました。2019年11月21日、格安スマホ(MVNO)の先駆けとして知られる日本通信株式会社が、NTTドコモを相手取り、音声通話の回線レンタル料の引き下げを求める「総務大臣裁定」を申請したのです。これは、長らく続いてきた大手キャリアによる通話料の独占的な価格設定に、一石を投じる大きな一歩と言えるでしょう。
そもそもMVNOとは、自前の通信網を持たずに大手から設備を借りてサービスを提供する事業者を指します。これまでインターネット接続に使うデータ通信料は順調に下がってきましたが、実は音声通話の仕入れ値は驚くほど硬直的でした。ドコモの場合、2011年度から現在に至るまで、30秒あたり14円という価格設定が一度も変わっていないという驚きの事実が浮き彫りになっています。
SNS上では「格安スマホなのに通話料だけは大手と変わらず高いのは納得がいかない」「早く10分かけ放題のようなプランが安くなってほしい」といった、ユーザーの切実な声が数多く寄せられています。今回の申請は、まさにこうした消費者の不満を代弁する形となりました。日本通信は2014年から根気強く交渉を続けてきましたが、合意に至らなかったため、行政の判断を仰ぐという決断に至ったのです。
携帯料金4割値下げへの挑戦と大臣裁定の意義
日本通信の主張がもし認められれば、私たちの生活に直結する大きな変化が訪れるはずです。同社は、適正な原価ベースでの価格設定が実現すれば、現在の大手キャリアのプランよりも4割ほど安い通話料金を提示できると自信を見せています。総務大臣裁定とは、事業者間の協議が整わない際に、公共の利益を鑑みて総務大臣が強制力のある判断を下す制度であり、市場の健全化に欠かせない仕組みです。
私個人の見解としては、5G時代の到来を目前に控えたいま、音声通話という基本的なインフラの価格が10年近く据え置かれている現状は異常だと言わざるを得ません。かつて2007年にも、日本通信はドコモとの回線接続を巡る裁定で勝利を収め、日本の格安スマホ市場を切り拓いた歴史があります。今回もその再来となり、スマホ料金全体が真の意味で「格安」になる転換点となることを期待してやみません。
このニュースに対し、ネット上では「日本通信の戦う姿勢を応援したい」「キャリア側の利権構造を壊してほしい」といった、業界の透明化を望む声が目立ちます。公平な競争環境が整うことで、私たちがより多様でリーズナブルな選択肢を手にできる日は、そう遠くないのかもしれません。今後の総務省の判断が、今後の日本の通信環境を左右する試金石となることは間違いないでしょう。
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