栃木県那須塩原市で「千本松牧場」などの観光・乳業事業を展開するホウライ株式会社において、大きな経営の舵取りが行われることになりました。2019年11月21日、同社は新たなトップとして寺本敏之氏を迎え入れる人事を発表しています。今回の交代劇は、伝統ある牧場経営に金融界の新しい風を吹き込むものとして、業界内でも高い注目を集めているようです。
新社長に抜擢された寺本敏之氏は、1981年に九州大学経済学部を卒業後、三井銀行(現在の三井住友銀行)に入行した経歴を持つ、生粋の金融パーソンです。銀行員として着実にキャリアを積み上げ、2014年には三井住友銀行の取締役にまで昇り詰めました。いわば資金の流れや企業価値を熟知したプロフェッショナルであり、その冷静な判断力は折り紙付きといえるでしょう。
寺本氏は、2019年6月にホウライの副社長執行役員として入社し、現場の状況を把握しながら準備を進めてきました。そして、満を持して2019年12月20日に代表取締役社長へと就任する予定です。なお、これまで会社を牽引してきた谷沢文彦社長は退任後、顧問として組織のバックアップに回ることが決定しており、スムーズな経営権の移譲が行われる見通しです。
SNS上では、メガバンクの役員経験者が観光農園を母体とする企業のトップに就くことに対し、「攻めの経営に転換するのではないか」といった期待の声が上がっています。また、島根県出身で現在61歳の寺本氏が、縁もゆかりも薄い栃木の地でどのようなリーダーシップを発揮するのか、その手腕に興味を抱く地元ファンや関係者の投稿も散見されました。
ここで少し専門用語の解説を挟みますと、今回のような「銀行出身者の社長就任」は、財務基盤の強化や抜本的な経営再建を目指す際に多く見られる手法です。ホウライはレジャー事業だけでなく、乳製品の製造販売や不動産事業も手掛けているため、多角的な視点を持つ金融のプロによる資産運用の最適化が期待されているのではないでしょうか。
私個人の意見としては、古き良き伝統を守り続ける千本松牧場にとって、今回の人事は「守りから攻め」への大きな転換点になると確信しています。銀行時代に培ったネットワークと、客観的なデータに基づく分析力は、地方創生が叫ばれる現代の観光ビジネスにおいて最強の武器となります。寺本新社長には、ぜひ那須の豊かな資源を次世代へつなぐ新しい価値を創造していただきたいところです。
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