2019年10月に東日本を襲った台風19号は、栃木県内にも甚大な爪痕を残しました。これを受けて栃木県は、2019年11月20日に災害廃棄物の処理に関する具体的な指針を公表しています。県内各地で山積みとなっているガレキや家財道具などの処理は、被災された方々が日常生活を取り戻すための最優先事項といえるでしょう。
今回の計画では、学校や病院といった公共施設の周辺、あるいは住宅が密集しているエリアに設置された身近な仮置き場を優先的に清掃します。これらの場所からは2019年12月末までを目標に廃棄物を運び出す予定です。生活環境に直結する場所から手をつけるスピード感のある対応に対し、SNS上では「悪臭や衛生面が心配だったので助かる」といった安堵の声が広がっています。
処理の進め方については、ただ燃やすのではなく「リユース(再使用)」や「リサイクル(再生利用)」を第一に考える方針が示されました。どうしても再資源化が難しいものに限り、焼却によって体積を減らす「減量化」や、安全に処理する「無害化」のステップへと進みます。環境への負荷を最小限に抑えようとする県の姿勢は、持続可能な復興の形として評価されるべきではないでしょうか。
県内自治体との連携と広域処理の検討
栃木県全体で発生した災害廃棄物の総量は、およそ10万トンという膨大な規模に達しています。市町別の内訳を詳しく見ていくと、佐野市の4万8000トンを筆頭に、栃木市の2万1000トン、鹿沼市の1万トンと続きます。特定の地域に負荷が集中しているため、各自治体が主体となって県内施設で処理を行うのが基本ですが、状況次第では県外の施設へ協力を仰ぐ広域処理も視野に入れています。
県が掲げた最終的なゴールは、災害発生から1年以内となる2020年10月頃までの処理完了です。これほどの大量の廃棄物を短期間で片付けるのは決して容易なことではありません。しかし、私はこの明確な期限設定こそが、被災地の皆さんの「前を向く力」に繋がると確信しています。自治体間の壁を越えたスムーズな連携が、迅速な復興を実現する鍵となるはずです。
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