私たちの生活を支えるインフラの要である電力会社で、驚きの事態が判明しました。関西電力が小規模商店などを中心とする63の法人に対し、電気料金を過大に徴収していたことが2019年11月28日、関係者への取材によって明らかになったのです。誤って徴収された金額は総額で約1150万円にものぼり、現在は返金作業が急ピッチで進められています。
今回のトラブルの原因は、社内システムの変更に伴う単純な入力ミスだったと見られています。関西電力によれば、本来適用されるべき「特約」の終了時期をデータ上で誤って設定してしまったとのことです。デジタル化が進む現代において、一つの設定ミスがこれほど大きな影響を及ぼすという事実は、システム運用の難しさを改めて浮き彫りにしたと言えるでしょう。
ここで、電気料金の仕組みについて少し詳しく解説します。電力契約には、一般家庭向けの「低圧」と工場向けの「高圧」がありますが、今回は低圧契約の中でも「特約」を結んでいる法人が対象となりました。この特約とは、電力会社と事業者が個別に交渉して割引率を決定するオーダーメイドのような契約形態を指し、本来ならコスト削減の大きな味方となるはずのものです。
システム改修が招いた「19年8月」の誤設定
事の端端は2018年に実施されたシステム変更にまで遡ります。この移行プロセスにおいて、特約の終了月を「2019年08月」と誤って登録してしまったことが致命的なミスとなりました。その結果、2019年09月分の請求時に、本来継続されるべき割引が適用されず、通常よりも高い料金が自動的に算出されてしまったというわけです。
SNS上では「自動引き落としだと気づきにくいから怖い」「プロの仕事としてお粗末すぎる」といった厳しい声が相次いでいます。信頼が第一の公共インフラだけに、こうしたミスに対して消費者が抱く不信感は計り知れません。特に経営に直結する電気代の計算ミスは、小規模な飲食店やスーパーにとっては死活問題になりかねない重大なトピックです。
関西電力は2019年11月29日、公式に謝罪の意を表明し、再発防止を徹底することを約束しました。誤徴収のあった対象者には個別に連絡を行い、2019年10月以降の電気料金と相殺する形で返金対応を行っているそうです。誠実な対応が求められる局面ですが、まずは被害を受けたすべての事業者に漏れなく適切な処置がなされることが最優先でしょう。
編集者の視点から言えば、今回の事件は決して他人事ではありません。どんなに便利なITシステムも、最終的にデータを扱うのは人間であることを痛感させられます。私たち利用者側も、明細書の内容を鵜呑みにせず、急な料金変動がないか定期的にチェックする自衛の意識を持つことが大切なのかもしれません。今後、同様のミスが起きないことを切に願います。
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