【ニッケル急落】米中対立の激化で4カ月ぶり安値を更新!世界経済の減速懸念が非鉄金属市場を直撃

2019年11月28日、世界の金属市場に緊張が走りました。ステンレス鋼の主原料として欠かせないニッケルの国際価格が急落し、約4カ月ぶりの安値を記録したのです。ロンドン金属取引所(LME)における3カ月先物価格は、1トンあたり1万4010ドルまで沈み込み、前日から370ドル(約3%)もの大幅な下落を見せました。

この背景にあるのは、泥沼化する米中関係の不透明感です。2019年11月28日に米国で「香港人権・民主主義法」が成立したことを受け、中国政府は即座に「重大な内政干渉である」と激しい反発を表明しました。これにより、期待されていた米中通商交渉の合意が遠のくとの懸念が市場に充満し、投資家たちが一斉にリスクを避ける動きを強めています。

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中国の需要鈍化が招く、ニッケル相場の冬の時代

ニッケルは、台所用品から建材まで幅広く使われる「ステンレス鋼」の耐食性を高めるために必須の金属です。しかし、世界最大のステンレス生産国である中国の景気減速が意識され、需要の柱が揺らいでいます。2019年11月を通じて下落基調が続いていた相場は、2019年11月29日の時間外取引でも1万3950ドル前後まで続落する厳しい展開を強いられました。

SNS上では「スマホや家電の価格に影響するのでは?」「景気の先行指標がこれほど落ちるとは恐ろしい」といった不安の声が広がっています。市場の専門家からは、下落の底は見えておらず、今後1万3000ドル前後まで売り込まれる可能性があるとの厳しい指摘も出ています。実体経済の冷え込みが、数字となって如実に現れ始めた格好と言えるでしょう。

筆者の見解としては、今回の下落は単なる需給バランスの崩れではなく、政治が経済を振り回す「ポリ(ポリティカル)・リスク」の象徴だと感じます。特にニッケルは電気自動車(EV)バッテリーへの活用も期待される戦略物資なだけに、目先の政治対立で市場が過剰に反応しすぎる現状は、健全な産業発展を阻害しかねない危うさを孕んでいるのではないでしょうか。

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