2019年07月24日、私たちの家計に直結する重要な経済指標が総務省から発表されました。同年06月の全国消費者物価指数(CPI)によると、生鮮食品を除いた総合指数は101.6となり、前年の同じ月と比較して0.6%の上昇を記録しています。30カ月連続でプラスを維持しているものの、上昇の勢いは前月の0.8%から鈍化しており、2017年07月以来の低い水準にとどまりました。
今回の物価動向で最も注目すべき点は、家計の固定費として大きな割合を占める携帯電話通信料の動きでしょう。大手キャリアによる料金プランの見直しが本格化した影響で、通信料は前年比5.8%もの大幅な下落を見せました。これが物価全体を押し下げる「下方圧力」として機能した格好です。SNS上でも「スマホ代が安くなるのは助かるけれど、景気が冷え込まないか心配」といった、複雑な消費者心理が垣間見える反応が多く寄せられています。
エネルギー価格の変動と外食産業のコスト増がもたらす光と影
一方で、生活に欠かせない電気代や都市ガス代は依然として高い水準にありますが、その上昇幅自体は以前よりも落ち着きを見せています。加えて、ガソリン価格が前年同月比でマイナスに転じたことも、物価上昇のブレーキ役となりました。しかし、すべてが値下がりしているわけではありません。人件費の高騰を背景に外食費などのサービス価格は上昇傾向にあり、現場のコスト増が着実に末端価格へ反映されている現状が浮き彫りになっています。
ここで専門用語について少し触れておきましょう。消費者物価指数(CPI)とは、私たちが普段購入する商品やサービスの価格変動を測定する、いわば「経済の体温計」のようなものです。特に天候の影響を受けやすい生鮮食品を除いた「コアCPI」は、物価の基調を判断する上で非常に重視されます。今回の調査対象となった523品目のうち、約6割に近い303品目が値上がりしており、生活実感としては決して物価が下がっているわけではない点に注意が必要です。
編集部としての見解ですが、今回の結果は「見かけ上のデフレ傾向」に惑わされてはいけないという警鐘を含んでいると感じます。通信料の値下げは一過性の政策要因に近い側面があり、外食や食品などの基礎的な支出はむしろ底堅く推移しているからです。今後、消費増税などのイベントを控える中で、家計を守るためには、公的な統計数値だけでなく、自分自身の支出ポートフォリオを冷静に見極める眼力がますます求められるでしょう。
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