最近、ビジネスパーソンの間で「定活(ていかつ)」という言葉が静かなブームを呼んでいるのをご存知でしょうか。これは「定年前活動」の略称で、現役時代から定年後のセカンドキャリアや豊かな生活設計に向けて準備を行うことを指します。人生100年時代と言われる現代において、会社という組織を離れた後の長い時間をどう過ごすかは、切実かつワクワクするテーマと言えるでしょう。
SNS上でもこのトピックは非常に関心が高く、「いざ定年を迎えてから何をすればいいか分からない」「会社以外の人間関係が全くないことに気づいて焦った」といったリアルな不安の声が散見されます。一方で、早めに準備を始めた方からは「会社の名刺がなくても勝負できる自分が見えてきて、かえって今の仕事に余裕が持てるようになった」という前向きな意見も寄せられており、準備の重要性が浮き彫りになっています。
なぜ40代ではなく「50代前半」がベストタイミングなのか
定年を見据えた活動は早ければ早いほど良いと思われがちですが、実は2019年11月30日現在の視点で見ると、52歳から55歳あたりが最も効果的なスタート時期だと考えられます。企業の研修担当者からは「45歳頃からセミナーを実施すべきでは」という相談も届きますが、実は40代はまだ仕事において「脂が乗り切った時期」です。昇進に向けたラストスパートの最中に老後の話をされても、翌日には忘れてしまうのが現実でしょう。
ところが50代に入ると、社内での立ち位置や将来のゴールが見えてくる方が増えてきます。これは決してネガティブなことではなく、視線を「会社の中」から「自分の人生全体」へと切り替える絶好のチャンスなのです。会社での地位に固執し続けるよりも、自分自身の価値を再定義し始めるのに、50代前半という時期は精神的なゆとりと体力のバランスが取れた、まさにベストタイミングと言えるのではないでしょうか。
定活を成功に導く「3つの柱」と実践のポイント
具体的な定活の内容として、まず取り組むべきは「やりたいことの明確化」です。これは単なる趣味探しではなく、自分が社会に対してどう貢献したいか、どんな活動に喜びを感じるかを深掘りする作業です。次に大切なのが「人脈の再構築」でしょう。会社の上下関係とは無縁の、利害関係を超えた友人を増やすことで、退職後の孤独を防ぐだけでなく、新たな仕事のチャンスが生まれることも少なくありません。
そして、これら全ての基盤となるのが「健康維持」であることは言うまでもありません。定年後にいざ活動しようとしても、体が資本でなければ計画は絵に描いた餅になってしまいます。筆者自身の経験を振り返ると、定年直前に独立を決意したために、人脈作りなどで軌道に乗るまで苦労した時期がありました。2019年11月30日現在、現役で活躍している皆さんは、少しずつでも余裕を持って助走を始めることを強くおすすめします。
編集部より:定活は自分への最高の投資
「定活」と聞くと、どこか店じまいの準備のような寂しさを感じる方もいるかもしれません。しかし私は、これこそが「自分を取り戻すためのクリエイティブな活動」だと考えています。組織の肩書きを脱ぎ捨てた後、一人の人間としてどう輝くかをデザインするのは、この上なく贅沢で楽しいプロセスです。早めに準備を始めることは、将来の不安を解消するだけでなく、今の仕事をより客観的に楽しむための処方箋にもなるはずですよ。
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