福井県が、県職員の働き方に大きな変革をもたらす決断を下しました。2019年10月01日、福井県は「現場で輝け! 福井県地域ビジネス兼業促進制度」を創設し、これまで制限されていた職員の副業や兼業の基準を明確化したのです。この制度により、在職1年以上の一般職約3,000人が、一定のルールの下で報酬を得ながら地域活動に従事できるようになります。
今回の制度の最大の特徴は、公務員が持つ専門知識や経験を「地域ビジネス」という形で還元することにあります。都道府県レベルでの導入は、長野県に次いで全国で2例目という先駆的な取り組みです。SNS上でも「公務員が現場の課題に直接関わることで、行政の柔軟性が増すのではないか」といった期待の声が多く寄せられており、大きな注目を集めています。
地域貢献とモチベーションを両立させる新基準の全貌
地方公務員法では原則として営利目的の兼業が禁止されていますが、任命権者の許可があれば可能とされています。しかし、これまでは具体的な基準がなかったため、活動は薬剤師などの専門職や町内会長といった一部のケースに限定されていました。今回、福井県は「週8時間以下」「報酬は社会通念上相当の範囲内」といった具体的なガイドラインを提示しました。
ここで鍵となるのは「公益性」です。単なるアルバイトではなく、地域の発展に寄与する活動であることが条件となります。例えば、スポーツ少年団の指導やまちづくりイベントの運営などが想定されています。専門用語で言えば、これは「ソーシャルビジネス(社会的課題を解決するための事業)」への参画を促すものであり、官民の垣根を超えた連携を狙っています。
現場の職員からは、喜びの声が上がっています。ある職員は、2019年10月に福井市中央公園で映画上映イベントを企画しましたが、数十万円の費用を全て自費で賄ったそうです。もし副業として認められ、適正な対価や入場料を得ることができれば、活動の継続性は飛躍的に向上します。自費での奉仕には限界がありますが、ビジネスとして成立させることで、活動はより持続可能なものに進化するでしょう。
「オール福井」で挑む過疎化対策と行政の未来
この制度の背景には、杉本達治知事が2019年04月の知事選で掲げた「職員はオール福井の営業マン」という公約があります。過疎化が進む地域では、担い手不足が深刻な課題です。県職員がプロボノ(職業上のスキルを活かした社会貢献)的に現場へ飛び込むことで、行政の机上論だけでは解決できないリアルな問題に切り込むことが期待されています。
編集者としての私の意見ですが、この取り組みは「公務員=保守的」というイメージを打破する画期的な一歩だと感じます。職員が外の世界で得た知見は、巡り巡って県政の質の向上に繋がるはずです。2019年11月19日時点では申請者はまだゼロとのことですが、具体的な相談は数件寄せられており、年内には第一号の許可が下りる見通しです。
2018年に先行して制度を始めた長野県では、部活動の外部コーチや伝統芸能の指導などで既に15人ほどが活躍しています。福井県でも、前例に倣いながら独自の色を出していくことで、日本全体の公務員のあり方を変える先行モデルになることを強く期待しています。地域を愛する職員の情熱が、ビジネスの力で形になる日はすぐそこまで来ているようです。
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