イギリスの未来を占う運命の日、2019年12月12日の総選挙まで残りわずか1カ月となりました。欧州連合(EU)からの離脱、いわゆる「ブレグジット」の是非が最大の争点となる中、ロンドン現地からはジョンソン首相率いる保守党にとって極めて有利なニュースが飛び込んできました。
かつては保守党の強敵と目されていたブレグジット党のファラージ党首が、2019年11月11日の演説で驚きの決断を下したのです。なんと、前回の選挙で保守党が議席を獲得した317の選挙区において、独自候補を立てない方針を正式に表明しました。
このニュースはSNSでも大きな話題を呼んでおり、「ついに離脱派が一本化した!」「歴史的な妥協だ」と驚きの声が上がっています。ブレグジット党はもともと「合意なき離脱」をも辞さない強硬派ですが、野党勢力による「2度目の国民投票」を阻止するために、現実的な選択をしたといえるでしょう。
離脱票の分散を阻止!保守党が狙う単独過半数へのシナリオ
現在、ジョンソン政権が目指しているのは、実質的な過半数となる320議席以上の確保です。もしこれを達成すれば、2020年1月31日のEU離脱はほぼ確実なものとなります。離脱支持層の票が割れるリスクが消えたことは、政権にとってこれ以上ない朗報となるはずです。
ここで「離脱票の分散(票割れ)」という言葉について解説しましょう。これは、同じ「離脱」を支持する有権者の票が、保守党とブレグジット党に分かれてしまい、結果として「残留」を掲げる野党候補が漁夫の利を得て当選してしまう現象を指します。
私個人の見解としては、今回のファラージ氏の決断は、イギリス民主主義の根幹を守るための「究極の守備」であると感じます。自党の議席獲得よりも、まずは国民投票の結果である「離脱」を完遂することを優先した彼の姿勢は、支持者にとって非常に説得力があるのではないでしょうか。
最新の世論調査でも、保守党の支持率は40%前後を維持し、最大野党の労働党を10ポイント以上もリードしています。残留派の票が自民党など複数の政党に分散している現状を鑑みれば、ジョンソン首相がこのまま勝利のゴールテープを切る可能性は、日増しに高まっているといえそうです。
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