持続可能な開発目標、いわゆるSDGsへの取り組みが企業価値を左右する現代において、その基盤となる「ガバナンス(企業統治)」の重要性がかつてないほど高まっています。2019年12月2日に発表されたSDGs経営調査によれば、アサヒグループホールディングスや荏原製作所、そして再生を図る東芝などが、透明性の高い経営体制で高い評価を獲得しました。ガバナンスとは、企業が不正を防ぎ、中長期的な成長を実現するために経営を監視する仕組みを指します。SNS上では「形だけのSDGsではなく、こうした内部統制の強化こそが信頼に繋がる」といった、本質を見抜く鋭い意見が数多く寄せられている状況です。
特に注目すべきは、経営を外部からチェックする「社外取締役」の存在感でしょう。2019年7月1日時点のデータを見ると、日本企業の社外取締役は平均2.83人となっていますが、東芝は12人の取締役のうち10人を社外から招へいするという、極めて大胆な布陣を敷いています。さらに、そのうち4人を外国人とするグローバルな視点を取り入れており、これは日本全体でもわずか0.5%の企業しか到達していない驚異的な水準です。多様なバックグラウンドを持つ専門家が経営に加わることで、内向きな論理を排除し、国際社会でも通用するクリーンな経営が実現されることが期待されています。
議長職の開放とトップ解任基準の明確化がもたらす真の透明性
取締役会の舵取り役である「議長」を誰が務めるかという点も、今後の大きな焦点となるでしょう。現在は全体の約68.8%において、社長などの業務執行役員が議長を兼務していますが、社外取締役を議長に据える企業も3.8%現れ始めています。例えば荏原製作所では、2019年から社外取締役が議長を務める体制へと移行しました。こうした動きは、経営執行と監督を明確に分離し、トップの独走にブレーキをかける健全な緊張感を生んでいます。編集者の視点から見ても、忖度のない議論が交わされる土壌を作ることは、不祥事防止における最大の特効薬であると感じます。
さらに、経営トップの選任や解任に関するルールを明文化する動きも加速しています。アサヒグループホールディングスでは、自己資本利益率(ROE)などの数値目標が一定期間振るわない場合に、社長兼CEOを解任する厳格な基準を設けました。ROEとは、株主から預かった資本をいかに効率よく利益に変えたかを示す指標です。このように「結果が出なければ退く」という客観的な仕組みは、株主や投資家からの信頼を勝ち取る強力な武器となります。ガバナンスの強化は単なる守りではなく、企業が世界で勝ち抜くための「攻めの戦略」へと進化を遂げているのです。
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