十勝の夜を変える「馬車BAR」の衝撃!ホテルヌプカ坂口琴美社長が仕掛ける町おこしの新常識

北海道帯広市の夜に、力強い蹄の音が響き渡っています。2019年4月にスタートした「馬車BAR」は、かつてばんえい競馬で活躍した巨大な「ばん馬」が、2階建ての馬車を引いて街中を巡るという前代未聞のアトラクションです。このユニークな試みを成功させたのが、十勝シティデザインの坂口琴美社長です。

SNS上では「馬車でお酒が飲めるなんて最高すぎる」「夜の帯広が一気にロマンチックになった」と、観光客だけでなく地元の方々からも驚きと称賛の声が止まりません。単なる移動手段ではなく、街そのものをエンターテインメントへと変貌させた彼女の手腕に、今日本中の観光関係者が熱い視線を注いでいるのです。

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ナイトタイムエコノミーを牽引する革新的な体験

現在、観光業界で重要視されているのが「ナイトタイムエコノミー」です。これは夜間の経済活動を指す言葉で、宿泊客が夜も街を楽しめる仕組みを作ることが地域活性化の鍵とされています。坂口さんは十勝産のビールや枝豆を片手に、50分かけて夜の帯広を満喫する贅沢なひとときを創り出し、見事にこの課題を解決しました。

馬車BARの拠点となるのは、2016年に開業したホテル「HOTEL NUPKA(ヌプカ)」です。アイヌ語で「原野」を意味するこの場所は、廃業したホテルを2億円以上かけてリノベーションし、生まれ変わりました。一歩足を踏み入れると、土壁や薪ストーブの温もりが宿泊者を優しく出迎えてくれるでしょう。

客室はあえてコンパクトな設計ですが、そこには「部屋にこもるのではなく、街へ飛び出してほしい」という坂口さんの深い願いが込められています。価格を抑えつつも、木の質感にこだわった内装は心地よく、宿泊に特化するという割り切ったスタイルが、現代の旅人のニーズに見事に合致しているのではないでしょうか。

点から面へ。町全体を一つのリゾートにする挑戦

坂口さんの活動は、単なるホテル経営の枠を大きく超えています。帯広市中心部にある20カ所もの温泉を紹介するマップや、29カ所のチーズ工房を網羅した地図の配布など、周辺施設を巻き込む「面」での観光振興に情熱を注いでいます。自社だけが潤うのではなく、地域全体を元気にしたいという利他の精神が感じられます。

農業一家に育ち、一度は都会へ出たからこそ見える「十勝の価値」を、彼女は独創的なアイデアで形にしています。地元の金融機関からもその熱意が認められ、今や馬車BARは帯広観光の新しい顔となりました。2019年12月03日現在、彼女の描く未来予想図は、さらに大きな広がりを見せようとしています。

私自身、こうした地域密着型のリーダーシップこそが、これからの日本の観光を支える根幹になると確信しています。既存の資源を大切にしながら、全く新しい価値を付け加える彼女の挑戦は、まだ始まったばかり。帯広の夜空の下で力強く歩むばん馬のように、その勢いは今後さらに加速していくことでしょう。

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