仕事の年賀メールは失礼?マナーの達人が教えるビジネスで失敗しない「新年の挨拶」の極意

2019年12月03日、スマートフォンの普及により新年の挨拶をメールで済ませる文化が急速に浸透しています。しかし、ビジネスシーンにおいて「年賀メール」を選択することは、果たして正しい判断なのでしょうか。今回は、現代礼法研究所でマナーデザイナーとして活躍される岩下宣子氏に、ビジネスにおける年始の作法の真髄を伺いました。

SNS上では「手書きの年賀状は負担が重い」「メールの方が即時性があって合理的だ」という声が上がる一方で、「目上の人へのメールは軽い印象を与えてしまうのではないか」という不安も根強く見られます。デジタル化が進む現代だからこそ、相手を思う「礼法」の重要性が改めて問われていると言えるでしょう。

スポンサーリンク

年賀メールを送る際に心得ておくべき「リスク」とは

岩下氏は、年賀状の本質について、前年への感謝と今後のお付き合いを願う真心を1月1日に届けることに意義があると説いています。ここで注意すべきは、相手が元日に必ずしも仕事用のアカウントをチェックするとは限らないという点です。返信を急かしてしまう、あるいは大切な挨拶を見逃される可能性があることを、私たちは認識しなければなりません。

こうした不確定要素を考慮すると、特に重んじている上司や重要な取引先に対しては、メールという選択は避けるのが賢明な判断となるはずです。メールは紙の書面に比べると、どうしても簡略化された印象を拭えません。相手の性格や価値観を深く推察し、最も喜ばれる手段を選ぶという姿勢が、真の「おもてなし」に繋がるのです。

もしメールでの挨拶を選択するならば、2019年の年内のうちに「新年のご挨拶はメールにて失礼させていただきます」と一言添えておくと非常にスマートです。また、送信予約などを活用して、しっかりと2020年1月1日に届くよう手配する配慮も欠かせません。仕事始めに送るのではなく、元日に届けることで誠意が伝わるでしょう。

ビジネスを正月に持ち込まないのが一流のマナー

年賀メールを作成する際、基本的には縦書きの年賀状をそのまま横書きにスライドさせた形式で構成します。新年の抱負を綴るのも好ましいですが、視覚的な工夫も大切です。例えば、文頭の「賀詞」――つまり「謹賀新年」や「迎春」といったお祝いの言葉――のフォントサイズを少し大きくすることで、おめでたい雰囲気がより伝わります。

意外と迷ってしまうのが、挨拶を忘れていた相手から先にメールが届いた場合の対応です。岩下氏は「朝の挨拶に返事をするのと同じで、難しいことは何もない」とアドバイスされています。届いたことに対して素直に感謝し、速やかにメールで挨拶を返すのが人の道です。無視をすることこそが、最も避けるべき非礼な行為だと言えるでしょう。

さらに、やりがちな失敗として「新製品のPR」や「アポイントの打診」をメールに併記してしまうことが挙げられます。お正月はお祝いの場であり、相手を仕事モードに引き戻してしまう内容はご法度です。ビジネス上の具体的な交渉は、2020年の仕事始め以降に改めて行うのが、品格ある社会人のマナーではないでしょうか。

私自身の考えを申し上げれば、効率化が進む世の中だからこそ、一手間をかける価値は高まっていると感じます。メールは便利ですが、相手の記憶に残るのはやはり丁寧に書かれた一枚の年賀状かもしれません。デジタルの利便性を享受しつつも、相手との心の距離を一番に考えたコミュニケーションを大切にしていきたいものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました