浦和レッズの左サイドを支える宇賀神友弥選手は、決してエリート街道を突き進んできた選手ではありません。ジュニアユースやユース時代を知る恩師の淀川知治氏は、彼がプロになれたことを驚きを持って受け止めているほどです。2019年11月19日現在、31歳となった彼は、当時の「お粗末だったキック」からは想像もつかないほどの成長を遂げ、チームの柱として君臨しています。
SNS上では、彼の泥臭いプレースタイルや逆境に立ち向かう姿勢に対して、「宇賀神選手の不屈の精神には勇気をもらえる」「エリートじゃないからこその強みがある」といった熱い共感の声が数多く寄せられています。彼はトップチーム昇格を逃し、大学時代には遺跡の発掘作業という過酷な下積みを経験しました。そんな遠回りをした日々が、現在の彼の強固な土台を形作っているのは間違いありません。
失敗をワクワクに変える、驚異の「リバウンド力」とは
宇賀神選手の最大の武器は、失敗を経験した後に以前よりも高いパフォーマンスを発揮する「リバウンド力」です。これは心理学でいう「レジリエンス(精神的な回復力)」に近い概念といえるでしょう。彼は壁にぶつかるたびに、「これを乗り越えたらどんな自分になれるのか」と胸を高鳴らせてきました。才能の壁を感じても、それを諦める理由にせず、相手を追い越すためのエネルギーに変換してきたのです。
象徴的な出来事は、昨年の日本代表デビュー戦です。PKを与えて負傷交代するという最悪のシナリオを経験しながらも、同年末の天皇杯決勝では見事な決勝ゴールを奪ってみせました。この劇的な復活劇こそ、彼が磨き続けてきた逆転の美学といえます。私は、現代のビジネスパーソンにとっても、この「転んでもただでは起きない」宇賀神流のメンタリティは、非常に価値のある教訓だと確信しています。
プロである前に社会人。一通の手紙が変えた人生観
宇賀神選手が大切にしているのは、技術以上に「人としてのあり方」です。プロ2年目、彼はメーカー提供のインソールに対して慢心し、データの返信を怠るという失態を演じました。その際、担当者から「こんな失礼な人間とは仕事ができない」という厳しい手紙を受け取ったのです。この叱咤激励が、彼に「サッカー選手である前に一人の社会人であれ」という、プロとしての真の自覚を芽生えさせました。
自分を客観視し、ネガティブな思考を予防線として活用する能力は、彼独自の強みです。恩師の淀川氏が「たたき上げの秀作」と称賛するように、自らの甘えを戒め、地道な努力を積み重ねてきた結果が、現在の長いキャリアを支えています。技術やセンスに恵まれずとも、芯の強さと覚悟があれば、人はどこまででも高みへ行ける。宇賀神選手の歩みは、夢を追うすべての人に希望の光を灯してくれるはずです。
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